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【日本の道100選】富山の名所・観光スポット紹介~おわらの町・富山市八尾~

2019/5/21

富山県内でライターとして活躍している中沖様に記事をご寄稿頂きました!

今回はおわら風の盆で有名な、富山市八尾の風景を撮影してきていただきました。
自然があふれる山々や、古きよき町並み、日本の道100選にも選ばれた八尾の道をまるで自分の足で歩いているような気持ちにさせてくれます。

春の訪れ、町並みの雰囲気を感じながら、ぜひお読みください。

↓以下本文です。

富山にシャッターチャンス!vol.2

春のポカポカ陽気が続き、植物や木々はあちこちで可憐な花を咲かせている。

いいなぁと感じる自分は確かにいるが、まずもって自宅の庭に咲き誇る彼女達(花は男性ではなく女性のような気がして)の名前も未だに覚えることができない。これはやっぱり興味がないということなのか。

いや、今回の撮影テーマに「春の息吹」を自ら選ぶということは、何かを欲しているのかもしれない。とりあえず、少ない知識の中に記憶されていた『小井波のミズバショウ』が見ごろだというので、足を運んでみよう。

ファインダーを通して芽生える感性 〜富山市八尾編〜

自宅がある富山市中心部から、少々山道に迷いつつ車を走らせること50分。富山市八尾町小井波の水芭蕉の群生地にやってきた。

朝は太陽が照っていたのに、気づけば雲が垂れ込んでいる。少し肌寒いのも、470メートルという標高のせいか。しかしこれほどの低い位置に水芭蕉が自生するのは珍しいそうだ。

天候はイマイチだが、さっそくレンズを向けてみようと水芭蕉に近づくと・・・。残念なことに何本も折れていることに気付いた。先週県内に吹き荒れた強風の影響だろう。

ここ数年の春を思い返すと、急速に発達する低気圧で凄まじい風がいつも襲いかかってくるように感じる。おかげで桜だって花をつけてはすぐに散るを繰り返している。

元気に咲き残った水芭蕉を探して一枚二枚とパシャリ。ドレスを纏い、仲間の分まで一生懸命輝いているようにみえる。ふと水面に目をやると、カエルの卵を発見。不思議なことにカエルがいることを意識した瞬間に、それまで聞こえていなかった鳴き声が耳に届く。

人間の機能っておもしろいなぁと思いながら、卵をパシャリ。今回も手にしているのはいつも取材で愛用しているキヤノンのEOS Kiss X7iだ。

水芭蕉群生地の俯瞰
Canon Eos Kiss X7i/EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STM
(マニュアル/ISO 200/F値5.6/露出時間1/80/WB AUTO)

水芭蕉のアップ
Canon Eos Kiss X7i/EF-S 55-250mm F4-5.6 IS STM
(マニュアル/ISO 200/F値5.0/露出時間1/60/WB AUTO)

カエルの卵
Canon Eos Kiss X7i/EF-S 55-250mm F4-5.6 IS STM
(マニュアル/ISO 200/F値5.6/露出時間1/20/WB AUTO)

 群生地のあぜに山桜かソメイヨシノかわからない木がある。ここが無知の弱さ。

自分なりに調べてみると、山桜は花と葉芽が同時に展開されるというが、ちょっと寒いこの場所では、平野部より遅くソメイヨシノが葉桜になっていく過程のようにも見える。人に例えると、それが若さなのか老いなのか見分けがつかないと言っているようなもので、極めて失礼なのかもしれない。

少しでも美しく撮りたいと構え、たなびく春霞を背景に一枚パシャリ。

桜
Canon Eos Kiss X7i/EF-S 55-250mm F4-5.6 IS STM
(マニュアル/ISO 100/F値5.6/露出時間1/25/WB AUTO)

『あまりにも有名な「おわら風の盆の街 〜引き続き富山市八尾編〜』

次に向かうのは八尾の中心部。「おわら風の盆」の舞台となる場所だ。

山あいの道を引き返す途中、桐谷地区の集落で民家の前に移動販売車が止まっているのを見かけた。日本の原風景に心癒されていたけど、お年寄りは確かに買い物に行くのも簡単ではないなと思う。

ふと耳を澄ませば今度はホトトギスの鳴き声。自然を撮影しながら、少しずつ五感が高められているようだ。不便な場所かもしれないが、こんなところで過ごす生活にもちょっぴり憧れる。

原風景的
Canon Eos Kiss X7i/EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STM
(マニュアル/ISO 200/F値5.6/露出時間1/200/WB AUTO)

 八尾の街並みを撮影する前に、若宮八幡宮の鳥居を車でくぐり城ヶ山公園へと続く上り坂を進む。車を停めて見晴らしのいい場所に立つと、なんと富山市街地が一望できるではないか。これは夏の花火大会で、ポワッポワッと大輪の花火が咲くのを見られるかもしれない。

いや、ここからなら絶対に見られる。思わぬ穴場を見つけた気分で少し歩くと、緑一色に染まった石階段があった。どうやら高浜虚子の句碑などがこの先にあるようだが、腰痛が癒えぬ身体で登るのは憚られたので、写真だけで御免とパシャリ。

富山市街地一望
Canon Eos Kiss X7i/EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STM
(マニュアル/ISO 200/F値4.0/露出時間1/320/WB AUTO)
緑一色の石階段
Canon Eos Kiss X7i/EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STM
(マニュアル/ISO 200/F値4.0/露出時間1/60/WB くもり約6000K)

さて「おわら風の盆」の舞台として最もメジャーな八尾町道諏訪町本通り。

「日本の道百選」にも選ばれており、石畳と格子戸の家並みは情緒以外の何物でもない。

写真を見て気づくかもしれないが、無電柱化の整備もされているのだ。防火・流雪用水路として活用される「エンナカ」と呼ばれる側溝から水音が涼しげに響く。この音はおわら風の盆とあわせて「残したい日本の音風景100選」にも選ばれているという。
 
百選込みの道
Canon Eos Kiss X7i/EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STM
(マニュアル/ISO 200/F値4.5/露出時間1/50/WB 日陰約7000K)

諏訪町本通りの見下ろし
Canon Eos Kiss X7i/EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STM
(マニュアル/ISO 200/F値5.0/露出時間1/60/WB日陰約7000K)

坂を降りていくと諏訪社の入り口に綺麗な花をつけた一本の木を見つけた。

私、もちろん木の名前などわからないが、幹に目をやるとあることに気づいた。どれだけの樹齢なのか、ポッカリと中身がくり抜かれたように幹が痛んでいる。人でいうと、随分ご高齢なのだろう。それなのに、こんなにも美しい花を目一杯咲かせている。
 
この日は前回と違い人との出会いはなかったが、撮影しながら花にたくさん語りかけたような気がする。彼女達(やはり花は男性ではなく女性という認識は変わらず)の名前をしっかり覚えると、もう少し距離は縮まるのかもしれないなぁ。

木につけた花アップ
Canon Eos Kiss X7i/EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STM
(マニュアル/ISO 200/F値4.0/露出時間1/60/WB くもり約6000K)

くり抜かれた幹
Canon Eos Kiss X7i/EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STM
(マニュアル/ISO 200/F値4.0/露出時間1/40/WB くもり約6000K)

花越しに諏訪本通りがみえる
Canon Eos Kiss X7i/EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STM
(マニュアル/ISO 200/F値5.0/露出時間1/50/WB 日陰約7000K)

〈4月22日取材 文・写真 中沖 紘一〉                               

(ライタープロフィール)
中沖 紘一
1980年富山市生まれ。チューリップテレビで10年間の報道記者生活を送り、その後、広告代理店タイムプランニングジャパンを経て、フリーライターとなる。現在は県内の情報誌やスポーツ記事の執筆を中心に活動しながら、映像制作にも携わる。
NPO法人 Tスポとやま 理事、一般社団法人 パレススポーツクラブ 理事
『富山初のスポーツマガジン Truth (Tスポとやま 発行・運営)』http://tspotoyama.com

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