フォトな場所 #01 那谷寺(石川県小松市)編
2016/11/15
お久しぶりです。
秋もすっかり深まり朝夕はめっきり肌寒くなってきましたね。気温の変化の大きな時期ですが、風邪などひいていらっしゃらないでしょうか?
秋といえば、カメラファンにとって外せないのが「紅葉」ではないでしょうか?美しい四季折々の風景の中でも木々が色とりどりに染まる秋の紅葉は、年間を通じて最もフォトジェニックな季節ではないでしょうか?
さて、この度ファイブスターカメラでは、日本各地のフォトスポットに弊社スタッフが直に赴き、その場所の魅力をご紹介する「フォトな場所」というシリーズコラムを新連載させていただくことになりました。
記念すべき第一回は、石川県小松市にある「那谷寺」です。この寺院は高野山真言宗の別格本山で、その歴史は古く、創建は養老元年(西暦717年!)になります。
各時代の戦乱に巻き込まれ、一時は荒廃したものの江戸時代に加賀藩第2代藩主、前田利常によって再建され現在の姿になりました。
利常公によって再建された敷地内の建物(大悲閣と呼ばれる本堂や、三重塔、鐘楼など)が国の重要文化財に指定されています。また、境内の流美園と呼ばれる庭園は、遊仙境という一枚岩と周囲に植えられた樹木や池の景観が高く評価され、こちらも国指定の名勝として北陸屈指の人気を博しています。
四季を通じて様々な表情を見せてくれる那谷寺ですが、わたし達が最もおすすめしたいのが、今回ご紹介させていただく「秋の那谷寺」です、境内の樹木が極彩色に染まる様子は、まるで別世界に来たかの様な気持ちにさせてくれます。
コラム冒頭の絵画のような美しい写真も、弊社スタッフがこの那谷寺で撮影したものになります。
さて、今回はそんな紅葉の那谷寺で見つけたステキな風景や被写体を、弊社スタッフ撮りおろしの写真とともに紹介させていただきます。
また、写真撮影に使用した機材やその設定などもあわせて公開させていただきますので、秋の紅葉撮影の参考にしていただければ幸いです。
奇岩 遊仙境
PENTAX K-5 II + HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6 ED DC WR / ISO-600 / 露出補正+0.3 / 絞りF6.4 / 露出時間1/80秒 / カスタムイメージ 鮮やか / WB AUTO
那谷寺に数多くある写真撮影スポットの中でも最も素晴らしい眺望を望めるのが、「奇岩 遊仙境」です。そそり立つ奇岩霊石に、いくつもの窟が開口して観音浄土を思わせる、と言われるその岩は、昔は海底噴火の跡であったと伝えられ、永い年月の間、風と波に洗われて現在の形になりました。
自然を通してその本源である宇宙を拝みながら、素朴に生きようと望む心の奥深くの自然智を呼び起こす景観といわれ、平成26年に「おくのほそ道の風景地」として新たに国名勝に指定されました。
色とりどりの木々の天井
PENTAX K-5 II + HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6 ED DC WR / ISO-600 / 露出補正+0.3 / 絞りF8.0 / 露出時間1/80秒 / カスタムイメージ 鮮やか / WB AUTO
参道を歩きながらふと上を眺めた際の一枚です。
境内には紅葉を初めとする様々な落葉樹が植えられており、赤・緑・黄色・オレンジを基調とした絶妙な配色のバランスを楽しむことができます。
水溜りに見え隠れする紅葉
PENTAX K-5 II + smc PENTAX-DA★ 16-50mm F2.8 ED AL [IF] SDM/ ISO-1200 / 露出補正+0.3 / 絞りF6.0 / 露出時間1/55秒 / カスタムイメージ 鮮やか / WB AUTO
撮影当日は天候に恵まれましたが、前日に少し雨が降っており日陰などには水溜りができていました。水面に浮んだり沈んだりしている紅葉がなんとも趣を感じさせてくれます。
水溜りや水面の反射など、「水」を使った写真の撮り方については、過去記事『雨の日の撮影がもっと楽しくなる!7つのカメラテクニック』に詳しい情報が掲載されていますので、興味のある方はぜひご一読下さい。
ナンテンの実を多重露光で幻想的なイメージに
PENTAX K-5 II + HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6 ED DC WR / ISO-600 / 露出補正+0.3 / 絞りF8.0 / 露出時間1/125秒 / カスタムイメージ 鮮やか / WB AUTO / 多重露光3回
境内にはモミジやカエデ、イチョウ、ブナなど様々な木々がその葉を極彩色に染めています。しかし、きれいな色を見せてくれるのは、木々の葉っぱだけではありません。
木々の根元にはナンテンが実をつけており、周囲の紅葉の中でもひときわ鮮やかな赤色を見せてくれました。
こちらの写真は3回の多重露光を使用しています。ナンテンの柔らかなイメージと、たくさんの実がなっている様子、そしてどことなく幻想的、童話的な雰囲気が伝われば幸いです。
野生の猿の撮影にも挑戦できました
PENTAX K-5 II + smc PENTAX-DA 50-200mm F4-5.6 ED WR / ISO-600 / 露出補正+0.3 / 絞りF8.0 / 露出時間1/125秒 / カスタムイメージ 鮮やか / WB AUTO /
なんとビックリ!野生のお猿さんの撮影もできました!
野生とはいえ、観光地の周辺に棲んでいるからなのか、あまり人間を怖がる様子もなくかなり近くまで寄ることができました。
望遠レンズを使用してはいますが、焦点距離は75mm前後で撮影しています。
人間慣れしているとはいえ、野生動物は野生動物。こちらが思った通りの写真を撮れるまでにはかなり根気が要りました。
撮影のコツは、動物達を怖がらせないよう、なるべく自然の一部になったようにゆっくりと静かに振る舞い、とにかく辛抱強く待つこと。そして、動物が心を許してくれたり、決定的な瞬間を見せてくれた、ここぞ!という時を逃さずシャッターを切ることでしょうか。
動物写真の撮影のコツは過去記事『プロ直伝!5つのワザでワンランク上の動物写真を撮ろう!』に、詳しい情報が掲載されていますので、動物の写真を上手く撮りたい!という方はぜひ読んでみてください。
フルカラーだけでない秋の魅力
PENTAX K-5 II + HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6 ED DC WR / ISO-400 / 露出補正+0.3 / 絞りF8.0 / 露出時間1/200秒 / カスタムイメージ モノクロ / WB AUTO /
秋の風景といえば、これまでにご紹介した紅葉を初めとした色鮮やかな写真に目がいきがちですが、モノクロ写真も上手く使うことで秋を感じる写真を撮ることができます。
こちらの写真は那谷寺の出入り口周辺に生えていたススキを撮ったものです。
カラーの写真よりもあえてモノクロで撮った写真のほうが、よりススキの穂のふわっとした質感とその間を秋風の吹き抜ける様子、肌寒くなってきた秋の夕暮れから夜にかけての少し寂しい感じが表現できたのではないかと思います。
芭蕉も愛した護摩堂からの眺め
PENTAX K-5 II + HD PENTAX-D FA 28-105mm F3.5-5.6 ED DC WR / ISO-400 / 露出補正+0.3 / 絞りF8.0 / 露出時間1/60秒 / カスタムイメージ 鮮やか / WB AUTO /
最後にご紹介するのが、かの松尾芭蕉も愛したといわれる護摩堂の屋根の下からの紅葉の眺めです。
護摩堂は寛永年間(西暦1600年前後)に建てられ、禅宗様を基調にしながら和様の手法を折衷させた自由奔放な設計が高く評価され昭和25年(1950年)に重要文化財に新指定されました。
内部は豪華に金の箔押しを施し、壁面には沈思や柔和、雅戯などの八相唐獅子、四面には干支の動物と牡丹を彫刻し、内陣には平安時代作の不動明王をお祀りしています。
建物自体の華やかさもさることながら、その護摩堂の縁側に座って眺める紅葉はまさしく格別の美しさでした。
さいごに
いかがでしたでしょうか?
那谷寺の美しさや、日本の秋の美しさを改めて感じていただけましたら幸いです。
さて、今回この「フォトな場所」というシリーズコラムの新連載と同時に、弊社公式オンラインショッピングがオープンしました。
他社圧倒の製品メンテナンスとサービス、そしてお求めやすいお値段にてカメラ、レンズその他アクセサリを販売させていただいております。お得で状態の良い掘り出し物商品が見つかるかも?カメラや機材のご購入や買換えをご検討中の方はもちろんのこと、そうでない方もぜひ一度ご覧になってください。
もちろん使わなくなってしまった古いカメラ機材のお買取も随時受付中です。
公開していない商品もございますので、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。