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フィルムカメラとデジカメってどう違うの?

2019/5/21

デジカメのはじまり

デジカメとはご存じの通り、デジタルカメラの略です。
画像をデジタル処理、デジタルデータとして保存することからデジタルカメラの名前がつきました。
このデジタルカメラが世に出たのは1990年頃です。
ですが当初は様々なパーツの性能も低く、フィルムカメラを置き換えることになるとは予想すらされていませんでした。
大ヒットのきっかけを作ったのは、デジタルカメラならではの機能を搭載したカシオのQV-10が1994年に登場したことでしょうか。
QV-10は液晶パネルを世界で初めて搭載し、撮ったその場で撮影画像を確認できるというフィルムカメラにはない機能を持っていました。
一度、方向性が決まるとまた、デジタルカメラには、基本となるパーツがすべて電子部品であるという強みがあります。
ムーアの法則に従って加速度的に進化する半導体、特にICチップの進化のスピードによって機能・性能の向上が進むようになります。
時期的にちょうどコンピュータやパソコンの進化の速度が非常に速かった時期とも重なったこともあり、一度スピードに乗ったデジタルカメラの進化はまさにとどまるところを知らない勢いになりました。
そして2005年には出荷台数でもフィルムカメラを逆転、今では逆にフィルムカメラの方がニッチな存在となってしまいました。

基本はフィルムとイメージセンサーを置き換えたもの

DSC_0076デジタルカメラの基本形は、フィルムカメラでフィルムのあった部分を、CCDやCMOSセンサーなどの、光を感じるイメージセンサーと呼ばれる電子部品・LSIに置き換えたものです。
イメージセンサーからの出力はアナログの信号ですが、そのデータをアナログ・デジタル変換を行って、その後の処理をすべてデジタルデータで行います。これにより、撮影画像の確認や修正がパソコンで行えるようになりました。
フィルムカメラで必須の現像作業が不要になったのです。デジタル技術、ソフトウェア技術の進歩もあって、アナログ信号をそのまま扱うよりも、デジタルデータに変換してから各種の信号処理を行った方が、処理速度の面でも、画質の面でも、最終的なデータの保存の点でも有利になっているのです。
これらデジタル処理のためにイメージセンサーに続くパーツの他に、アナログ・デジタル変換用のチップ(A/Dコンバータ)、
デジタル変換されたデータを処理して写真を作り上げる映像エンジンと呼ばれるチップ、そして写真データを記録するためのフラッシュメモリといったパーツが組み込まれています。
その他のカメラのパーツであるレンズや機械的なシャッターなどの機械的な仕組みは、フィルムカメラでもデジタルカメラでもほとんど一緒です。
デジタルカメラでは、35mmフルサイズ、中判と呼ばれる大型センサーを採用するカメラ以外はすべて、従来のフィルムよりも画像をとらえることができる部分の大きさが小さいものばかりです。
このため多くのデジカメでは、レンズやシャッターなどのパーツは、フィルムカメラのものよりも小さく作ることが出来ます。

フィルムカメラにあってデジカメにないもの

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デジタルカメラでは、当然のことながら、フィルムの巻き上げ・巻き戻しの仕組みは必要はなくなります。
そのために必要だったメカが不要で巻き上げ・巻き戻しに使われていた機構が不要になるので、そのスペースも別の用途で利用可能になりました。
ですが、実際にはデジタル化したことで必要になるパーツの方が多いようで、デジタル一眼レフでは、フィルム時代の一眼レフよりもかなり本体が大きくなっています。
コンパクトデジカメでは逆に、イメージセンサーの小ささをうまく活かして、フィルム時代には作り得なかった小さなサイズのカメラも実現されています。
また、最近のデジカメではデジカメならではの仕組みをフルに活用して、光学式のファインダーを省いた機種が増えています。
さらに、スマートフォンや携帯電話のカメラでは、機械式のシャッターや絞りまでが省略されました。

デジカメにあってフィルムカメラにないもの

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デジカメでは、フィルムに代わり光を受ける部分は、CCDやCMOSといったイメージセンサーと呼ばれる部品が受け持ちます。デジタルカメラでは、35mmフルサイズ、中判と呼ばれる大型センサーを採用するカメラ以外は従来のフィルムと比べて小さいものばかりです。そのため、同じレンズで撮影した場合に画角が狭くなってしまうという現象が起きます。
このほか、イメージセンサーから出た信号をデジタル化するA/Dコンバータと呼ばれる部品、デジタル化された信号を処理する映像エンジン、撮影した写真を保存するフラッシュメモリなどがデジカメならではの部品です。特に映像エンジンは写真の仕上がりへの影響が大きく、デジカメの性能を左右する一因となっています。

デジカメならではの新しいかたち

前の節にもちらと書きましたが、最新のデジタルカメラでは光学式のファインダーが省略された機種が増えています。むしろコンパクトデジタルカメラでは光学式ファインダーを備えない機種の方が多いのではないでしょうか。
これは、イメージセンサーから入力した信号を処理して液晶モニタなどに表示することで、電子的にファインダー画像としても利用するようになったことから実現できた、デジカメならではの新しい形と言えます。
レンズ交換が可能なカメラでもこの仕組みを採用したミラーレス一眼カメラが生まれ、かなりのシェアを獲得するジャンルにまで成長しています。
この形態のデジタルカメラになると、光学ファインダーのための余分の部品が不要となります。
レンズ交換式カメラではもっともそのあたりの事情が顕著で、ファインダーに光を導くためのミラーも、ファインダーに正立像を造るためのペンタプリズムも、ミラーが動くスペースを作るためのミラーボックスも不要になります。
このため、カメラを非常にシンプルでコンパクトな構成で作れるのです。
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ちなみにミラーレス一眼レフカメラという名称は、一眼レフに必須であったミラーが省略できるようになったことから付けられた俗称から生まれた言葉です。
日本のカメラの規格などをとりまとめている団体「CIPA」では「ノンフレックスカメラ」という名称を生み出していますが、あまり普及していません。
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デジタルカメラの弱点

電子的なファインダーを採用する形態のデジタルカメラの弱点は、デジカメの中で最も消費電力の大きなパーツである、イメージセンサーや映像エンジンをずっと動かし続けなければいけない点です。
このため一般的には、デジタル一眼レフよりもコンパクトデジカメやミラーレスカメラではフィルムカメラに比べてバッテリーの消耗が激しく、1本のバッテリーで撮影可能な枚数が大きく劣る形になります。
光学ファインダーを備えた機種であれば液晶モニターをオフにしてバッテリーの消耗を抑えられますが、そのような使い方はデジタルカメラのせっかくの利便性を損なってしまうでしょう。
ちなみに、携帯電話やスマートフォンには機械式のシャッターも搭載されていません。
これはイメージセンサーの電子的なギミックを利用して、電子的・擬似的にシャッター動作をシミュレートする、電子シャッターの仕組みを使っているからです。
さらにはほとんどの場合、スマホや携帯のカメラには絞りもありませんので、稼働するメカ部分が存在しません。
シンプルさを突き詰めた究極の形のカメラ、といえるかもしれません。

デジタルガジェットとの相性の良さ

デジタルカメラがここまで進歩した理由の一つには、パソコンなどのデジタルガジェットとの相性が抜群に良かったことも上げられます。
USBコネクタでカメラを直接パソコンに接続したり、メモリカードリーダを使ってカメラの画像を記録したメモリカードから写真を読み出すだけで、パソコンで写真を閲覧したり、様々な用途に利用したりすることが出来ます。
フィルムカメラであれば、一度、ネガやポジ、プリントからスキャナという装置を使って写真をデジタルデータ化しないと利用が出来ませんが、この手間が不用になります。
また、スキャナを通すと写真本来の画質は一部失われてしまいますので、パソコンで利用する場合には、デジタルカメラの方がトータルの画質で上回ることも理由の一つでしょう。
さらに進んで、パソコン上でデジタルカメラのイメージセンサーから読み込んだままの生のデータ(RAW形式)を処理して、より高画質の写真を作り上げる操作も使われるようになりました。
さらにもう一つ。通信回線の発達により、インターネットに接続可能な場所であれば、どこからでも写真を送ることができるようになったのも、デジタルカメラ普及を後押ししています。特に報道など即時性が重視されるの分野では絶大な威力を発揮します。
携帯電話がつながる場所であれば、取材先からほぼリアルタイムで撮影データを本社に送ることも可能なのですから。
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まとめ

デジタルカメラは、電子部品の急速な進歩、コンピュータのハードウェア、ソフトウェア技術の進歩の波に乗る形で急速に発達しました。
解像度、解像力の面では、フィルムを超えたとも言われます。
ただ、フィルムにはまだデジタルカメラでは表現しきれない表現力の豊かさも残っています。
本当は、フィルムカメラとデジタルカメラは排他となるようなものではないはずですし、どちらも写真を撮るという楽しみは一緒です。
うまく棲み分けが出来て、フィルムも生き残ってくれると良いと思うのですが。

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