デジタルカメラの種類とそれぞれのカメラの得意・不得意
2019/5/21
流通しているデジタルカメラの種類・ジャンルとして認識されているものには、概ね以下のようなものがあります。
・普及型コンパクトデジタルカメラ
・高級コンパクトデジタルカメラ
・旅カメラ
・ネオ一眼
・ミラーレス一眼
・デジタル一眼レフ
これらのカメラのジャンルの由来的なものから、それぞれに属するカメラの特徴、得意・不得意など、今回はカメラのジャンルにまつわるお話をまとめてみます。
コンパクトデジカメ
コンデジことコンパクトデジタルカメラは、名前にコンパクトという言葉がつくとおり、元々はサイズの小さなカメラのことを指してきました。フィルム時代のコンパクトカメラがそのままデジタル化したイメージ、というとわかりやすいかもしれません。
ただ、今では少し意味が変化しています。
大型のイメージセンサーを採用して、決してコンパクトとは呼べないサイズのコンパクトデジカメも登場しているからです。代表格はキヤノンのPowerShot G1X MarkIIや、ソニーのDSC-RX1シリーズでしょうか。
これらの機種では、レンズ交換式のミラーレス一眼よりも立派なサイズのボディーを持っていて重量もそれなりにあります。レンズ交換の出来ないミラーレス機と考えた方がわかりやすい出で立ちです。ネオ一眼もズーム倍率の高い機種では小型の一眼レフに迫るほどの大きさがあります。
ですが、これらの「コンパクトではない」カメラもひとくくりにしてコンパクトデジカメと呼ばれています。いつの間にか現在のコンパクトデジカメは、レンズ交換の出来ない一体型のデジカメのことを指すようになっています。
高級コンパクトデジカメ
コンパクトデジカメの中でも大きめのイメージセンサーを搭載して、画質の面で少し上を目指したカメラがこのカメラです。当初は、2/3型や1/1.7型センサーを搭載するカメラばかりでしたが、今はより画質面でスマートフォンのカメラとの差別化が行ないやすい1型センサー搭載機が主流に変わりつつあります。
従来のイメージのこのクラスのカメラとしては、既に生産完了している製品ですが、キヤノンのPowerShot S120などがあります。今主流となりつつある1型センサー搭載機としては、ソニーのDSC-RX100シリーズが代表格と言えるでしょう。
ネオ一眼
イメージセンサーは小型のままの機種が多くなっていますが、極めて高いズーム倍率を持ち非常に広い範囲の被写体に対応できる性能を持たせて、外見が一眼レフライクなカメラがネオ一眼と呼ばれています。
最近は1型センサー搭載機でも、高倍率ズームを載せたカメラが登場し始めています。
ズーム倍率を極めたネオ一眼としてはニコンのCOOLPIX P900がなんとズーム比83倍を実現し、望遠端では換算2000mm相当の画角を手に入れています。
旅カメラ
本来のコンパクトカメラらしい小型で薄いボディーに20倍~40倍といった、高倍率ズームを搭載したカメラです。多くは小型のイメージセンサーを搭載していますが、このジャンルにも少しずつ1型センサー搭載機が登場し始めました。
カバンにもすっぽりと収まる小型を実現しながら、非常に幅広い被写体に対応可能なズーム域の広いレンズを搭載することで、旅行に持って行くのに最適なカメラと言うことでこの名前が付けられています。
パナソニックのLUMIX TX1が1型センサーと10倍ズームを搭載しつつ旅カメラと言えるサイズを実現していて、旅カメラのジャンルにも1型センサーの波がやってくるかもしれません。
普及型コンパクトデジタルカメラ
小型のイメージセンサーを搭載して、上の3つのジャンルに属さず、お手頃な価格を実現しているのがこのジャンルのカメラです。もっともスマートフォンにシェアを食われたカメラとも言えます。
生き残っているのは、非常に小型軽量でスタイリッシュな外見を実現したカメラがほとんどです。このクラスにはキヤノンのIXYシリーズなどがあります。
コンパクトデジタルカメラの得意・不得意
コンパクトデジカメの中にも今は大型のセンサーを搭載する機種が増えてきましたので、そういったカメラと従来のイメージの小型センサーを搭載するカメラとでは、カメラの得意・不得意なジャンルも全く異なってきます。
画像の観点では大型イメージセンサー搭載のコンパクトデジカメは、ミラーレス一眼やデジタル一眼レフと共通のメリット・デメリットがあると考えてもらうと良いかと思います。ここでは画像に関しては、小型センサー搭載のコンパクトデジカメに関してまとめることにします。
小型センサー搭載のコンパクトデジカメでは、画質の面に関しては残念ながら他のサイズのセンサー搭載のデジカメと比較して勝る部分はありません。ハンデだらけ、と言っても良いと思います。
絵作りの観点では、ボケを作画に使うことがとても難しくなっています。逆に考えると、大胆に主被写体に迫っても、背景がボケすぎないことがメリットになるケースもあると思います。また、パンフォーカスの写真を作りやすいこともメリットの一つでしょう。
カメラ・レンズの機構的な部分としては、バックフォーカスなどの制約を受けず、専用のレンズ設計が可能になること、レンズも小さくなるため、大きなレンズでは難しい高度な製造技術が取り入れられること、可能性としては、大きな塊の製造が難しい新種の光学ガラスの利用の可能性もあること、など、より高性能なレンズを搭載できる可能性があります。
レンズを交換しなくて良いことから、イメージセンサーにゴミが付着する問題からも最初からフリーになっています。
ミラーレス一眼
光学ファインダーを持たないコンパクトデジカメやミラーレス一眼こそが、もっともデジタルカメラならではのカメラと言えるかもしれません。
ミラーレス一眼の特徴
デジタル一眼レフはフィルム時代の一眼レフのフィルムの部分をイメージセンサーに置き換えたような構造ですが、ミラーレス一眼ではデジタルカメラならではの機能を活かして、カメラの中身がかなり最適化されています。
このため出来上がる写真の画質はデジタル一眼レフと同等のものを実現しつつ、カメラ本体はかなり小さく作り込むことが可能になっています。
ミラーレスの言葉は、デジタル一眼レフで必須であった、光学ファインダーに光を導くためのミラーが不用となったことから付けられたものです。
この観点では立ち位置が微妙なのはSONYのAマウントのαシリーズです。確かにミラーは存在して形も一眼レフそのものなのですが、ファインダーは光学式ではなく電子式のものが採用されています。AマウントのαシリーズのミラーはAF光学系に光束を導く目的専用で使われています。このため、一眼レフと言うよりはミラーレス一眼の仲間と考えた方が成り立ちはわかりやすいカメラです。
ミラーレス一眼の得意・不得意
こと絵作り、画質に関しては、ミラーレス一眼はデジタル一眼レフと全く同じことができ、同等の写真を作り上げることが出来ます。
絵作りの上でのミラーレス一眼のメリットは、ファインダーが電子式であることが最大のものかもしれません。
実際に映像エンジンの出力した画像を見る形になりますので、一眼レフの光学ファインダーよりも仕上がる写真のイメージにより近い画像を撮影前に確認することが出来ます。さらに、今のカメラではホワイトバランスや色の補正、露出のレベルまでを反映した画像を確認可能です。
逆に、ミラーレス一眼の不得意な部分も電子式のファインダーを使っていることが理由になります。
どうしても画像処理を通さなければならない分、ファインダーに表示される画像には遅延が生じます。処理の工夫や映像エンジンの性能向上で遅延は短縮されていますが、残念ながらこれをゼロにすることは出来ません。
また、ファインダーに表示される像の1秒間あたりの表示コマ数にも限界があります。普及価格帯のカメラでは毎秒30コマ程度。高性能機で毎秒60コマと言ったところが一般的だと思います。ただ、この部分も最近はより高いフレームレートを実現するカメラも現れています。
ミラーレス一眼ではオートフォーカスはイメージセンサー上に配した距離検出用の位相差画素を使ったり、コントラスト検出方式を使用しています。このため、ピント合わせの速度や高速で移動する被写体への追従は、デジタル一眼レフよりも劣るとされています。逆にピント精度の面では、ギリギリまで追い込む場合にはミラーレス一眼に分があります。
こういった特徴から、動きモノに関してはミラーレス一眼はまだ一眼レフには譲る部分があります。
デジタル一眼レフ
今あるデジタルカメラの中では一番、昔からのカメラの構造を引き継いでいるのがデジタル一眼レフと言えるかもしれません。
デジタル一眼レフの特徴
デジタル一眼レフ最大の特徴は、やはり光学ファインダーの存在でしょう。今はデジタル一眼レフ以外では光学ファインダーを持つデジタルカメラは、ほぼなくなってしまいました。
電子ファインダーのような、液晶パネルなどの解像度や色再現の限界、表示コマ数などにはまったく制限されることのない、光学式ファインダーの「見え味」が一番の特徴であり最大のメリットとなっていると言えるでしょう。
そのかわり、光学ファインダーを実現するためにはかなりたくさんの追加のパーツが必要になり、どうしてもカメラ本体は大きく重くなり、シャッター音も大きめ、シャッターを切る際のカメラの振動も大きくなりがちです。
デジタル一眼レフの得意・不得意
ミラーレス一眼との最大の差別化を行える点は、やはりファインダーの方式の違いです。完全にリアルタイムで生の被写体に最も近い像を確認できる光学ファインダーがあることが、デジタル一眼レフの最大の強みです。強力で高速なオートフォーカスのシステムとも合わせ、高速で動く被写体には絶対的な強みを発揮します。
その代わりカメラ本体は大きく重くなり、レンズまで含めたシステムもかなり大きく、持ち運びには苦労しがちになります。
また、光学ファインダーを実現する仕組み上、どうしてもシャッターを切る瞬間にカメラ自身がある程度の振動を発します。このため手持ち撮影をする場合、手振れ限界ギリギリのシャッタースピードなどでは、どうしても手振れを起こしやすくなります。
デジタル一眼レフのオートフォーカスも非常に高精度で調整されていますが、ギリギリまでピント精度を追い込むのであればデジタル一眼レフでもライブビューを使って像を拡大しマニュアルフォーカスを使え、といったことも言われる時代になっています。本当の最後の最後のギリギリの部分では、オートフォーカスの精度は、像面でピントを測定できる最新のミラーレス一眼に分があるかもしれません。
ミラーレス一眼、デジタル一眼レフ共通の得意分野
小型のイメージセンサーを採用したコンパクトデジカメと比較した場合、大きなイメージセンサーを採用するミラーレス一眼、デジタル一眼レフの絵作り上の特徴は、やはりボケをコントロールして作画に積極的に利用可能な部分が一番大きいかもしれません。
背景が分からなくなるような大きなボケから、ある程度絞って周りの状況もある程度伝えるようなボケ具合まで自在にコントロールできるのが、大きなセンサーを搭載したカメラを使う楽しさの一つです。
その代わりパンフォーカスの写真を作ることは難しくなります。デジタルカメラでは大きく絞り込むと光の回折現象による「小絞りボケ」の発生が避けられませんので、せっかく絞ってもシャープなイメージを得られないケースがあります。
小絞りボケの影響もあって思い切り絞り込んでの撮影が躊躇されるケースもありましたが、最近のカメラの映像エンジンには回折現象によるシャープネスの低下を補正する機能が搭載されることが多くなりました。そのような機能を搭載しているカメラでは、思い切った絞りの活用も可能です。また、後処理で回折現象を軽減することが出来るソフトもあります。
低い感度でも出力される絵に余裕があり、とても安定したグラデーションなどの再現が可能です。もちろんISO感度を上げても、小型センサー搭載のカメラとはまさに次元の違う高画質が実現できます。
高値買取中の商品
ファイブスターカメラではフィルム機種に力を入れていますが、デジタル機種も他店より高値で買取しています。高値買取対象商品の一部を公開中なので、よろしければご覧ください。公開していない商品もございますので、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
・デジタル一眼レフカメラ本体の買取注力品(一例)
・コンパクトデジタルカメラの買取注力品(一例)
・ミラーレス一眼カメラの買取注力品(一例)