今振り返るあの機種 第四回「AF ZOOM NIKKOR ED 80-200mm F2.8D <NEW>」
2019/1/5
最新機種ではない、いわゆる「型落ち」と呼ばれる製品には、最新機種にはない優れた点や独特の味わいがあるもの、コストパフォーマンスに優れているものがたくさんあります。このシリーズではそんな製品にスポットを当て、その魅力をお伝えしていきます。
明るく使いやすい望遠ズームレンズ
開放F値が明るい2.8で一定の、背景ボケの美しさが印象的な大口径望遠ズームレンズ。いわゆる「F2.8通し」のズームレンズは、その高い解像力、高コントラストの鮮明な画像、美しい背景ボケなどから、一眼レフユーザーなら誰もが一度は憧れる一本ではないでしょうか。
中でも今回は、1996年の発売以来、今もなお高い人気を誇り現行品として君臨し続ける大口径望遠ズームレンズ、AF Zoom NIKKOR ED 80-200mm F2.8D、とりわけ、直進ズームから回転式ズームに変わり三脚座も付属した、AF ZOOM NIKKOR ED 80-200mm F2.8D <NEW>(以下AF NIKKOR 80-200mm f/2.8 D ED NEW)にスポットを当ててみましょう。
古くても使える!数々の強み
初代機の発売から30年以上経過し、マイナーチェンジを経た現在でも今もなお根強い支持を受け続ける、AF ZOOM NIKKOR ED 80-200mm <NEW>―。
その最大の魅力は、F2.8の明るさでしょう。もちろんズームレンズですので、単焦点ほどの余裕のある解像感や、ボケの描写を期待するのは酷ですが、NIKKORレンズらしい高コントラストで色乗りも自然な描写を開放から発揮してくれる堅実なレンズです。
また、円形絞りを採用していないことが逆にメリットとなり、美しい光芒を出せることも描写上の個性といえるでしょう。
最新のレンズと比較した場合、絞りリングを持っていることもこのレンズの大きな特長のひとつです。
同格の最新機種AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E VR FLや、同じく同格レンズであるAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8 G ED YRIIなどは旧型カメラ=フィルム機に装着しても、そのレンズとしての機能のほとんどを使えませんが、こちらのAF Zoom NIKKOR ED 80-200mm F2.8Dは絞りリングをもつため、マニュアルフォーカスレンズと同じように装着・使用できる点が、最新レンズには決して真似できない魅力です。
無骨な設計で強度は抜群
プラスチックをほとんど使用しない頑強な設計と、色にじみ、色収差を効果的に低減するEDレンズ3枚を含む、11群16枚のレンズを擁したボディ重量はおよそ1300g。手持ちで使用するには辛い重量ですが、三脚使用時の、とりわけ長時間露光時には少しの風ではびくともしない安定性と、前述の描写の高さと相まって、安心して使えるレンズです。
古いレンズであるがゆえに超音波モーターオートフォーカスや手ブレ補正効果等、最新の同格ズームレンズが備える数々の先進機能は当然ついてはいません。こうした無骨な設計であることと、堅牢な作りによって、同じ年代に作られた同格の他社ズームレンズ(特に、プラスチックを多用しコストダウンを図ったもの)に比べて、問題なく動作する中古の機種が多く存在する理由のひとつともいえるでしょう。
また、こうした単純な機械駆動式レンズであるおかげで、電子機械を満載した最新型のレンズに比べ、もしものときの修理費用も比較的安く済ませられる場合が多いことも大きなメリットですね。
新機種と比較しても必要十分の描写力
次にレンズの描写について、同格の後発レンズであるAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8 G ED VRIIと比較しながら、確認してみましょう。
左がAF NIKKOR 80-200mm f/2.8 D ED NEWで撮影した写真、右がAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8 G ED VR IIで撮影した写真です。カメラはどちらも同じD750で、同じ設定で撮影しました。
後発のAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8 G ED VR IIの高い解像力と必要十分以上のコントラストの表現には、やはり目を見張るものがあります。ナノクリスタルコートにより被写体表面の反射も抑えられ、くっきりとした写りになっています。特筆すべきはその明暗の描写力です。ボディ部分の反射は抑えつつもレンズ部分など反射すべきところはしっかりと被写体の陰影を表現できている点はさすがの一言に尽きますね。
対して、AF NIKKOR 80-200mm f/2.8 D ED NEWで撮影した写真は、AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8 G ED VR IIほどではないにしろ、ピント面から周辺部にいたるまで申し分ない解像をしてくれています。今回撮影に使用した被写体は高さ10cmほどの小さな被写体ですが、f/2.8の被写界深度を生かした背面周辺のわずかなボケも被写体の立体感をよく表現してくれています。
最短撮影距離は1.8mと、若干長いので屋内での撮影や、近接撮影には向いていませんが、屋内や被写体に寄らざるを得ないシーンなどをのぞけば、描写上の大きな不便は感じませんし、新型のAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8 G ED VR IIよりもやや小型であることも取り回しという点において大きなメリットになります。
圧倒的コストパフォーマンス!
最後に、肝心のお値段について。
現在中古市場では、後発の同格レンズAF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8 G ED VR IIが最大¥164,980とさすが大三元レンズ!というお値段を維持しているのに対し、AF NIKKOR 80-200mm f/2.8 D ED NEWは、およそ3分の1程度のお値段でお求めいただけます。(※1)
先にご紹介した、最短撮影距離の長さや、手ブレ補正機能など、新型のレンズについている新機能にこだわらなければ、コストパフォーマンスという点においては、圧倒的に優れたレンズといえるでしょう。
いかがでしたでしょうか?後発のレンズと比べるとスペックが劣っている箇所もありますが、まだまだ十分素晴らしい写真が撮影できるレンズです。
なお、ファイブスターカメラでも、今回ご紹介したレンズを好評発売中ですので、興味のある方はぜひ下記リンクより商品詳細をご確認くださいませ。
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※1 2019年1月5日現在/価格.com調べ