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プロ直伝!5つのワザでワンランク上の動物写真を撮ろう!

2019/5/21

プロカメラマンの川窪 葉子さんに記事をご寄稿頂きました!

川窪さんの作品が見られるHPはこちら↓

http://www.yoko-kawakubo.com/

今回は動物の写真の撮り方について解説して頂きました。

ゴールデンウィークを間近に、今回は特に動物園で写真の撮り方にフォーカスして執筆していただきました。

オリの中の動物たちをいかに生き生きと、魅力的に写真に収めるのか。

そのエッセンスがたっぷり詰まったコラム記事です。

以下本文です。

ワンランクアップした動物写真を撮ろう!

行楽に最適なシーズンを迎えました。
ゴールデンウィークに家族で動物園へ出掛ける計画をしている方も多いのでは…。

冬眠から目を覚まし、繁殖期を迎え、もっとも活発に動き回る動物が見られるチャンスです。

「動物園は混んでいるから」、「動物は動きが早くて」、「オリが邪魔で」、「動物は寝てばかり」・・・。そんな悩みも、コツをつかめば簡単に、魅力あふれる動物写真が撮れるようになります。

まずは動物の動きを観察・把握

どんな動きをするのか予測がつかないのが動物。なかにはじっとしている動物もいますが、常に動き回っているので、どうしても俯瞰で記念撮影のような写真を撮りがちです。

まず動物をよく観察すること。集団でたくさんいる動物の場合、どの子を撮影するかを決めてから狙いを定めましょう。

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FUJIFILM X-A1 + FUJINON XC16-50mmF4.5-6.7OIS / ISO-200 / 露出補正+0.3 / 絞りF6.7 / 露出時間1/150秒 / フィルムシュミレーション アスティア / WB AUTO

集団でいるフラミンゴのなかで、狙いを定めた子が横向きでこちらを見た瞬間に撮影。

オリやフェンス越しは望遠で

動物園で撮影する際に一番感じるのが、オリが邪魔だということ。

このオリを入れないように写すためにオリの隙間から撮影できれば問題ないのですが、施設の構造上寄れることができない、または混んでいて接近できないことも。しかし、そんな状況でもオリを消して撮影することが可能です。

カメラモードは絞り優先(AまたはAvモード)にします。そして絞りの解放値(F値)を最大に開きます(一番小さな数字に設定)。解放絞り値を開くと被写界(体)深度が浅くなり(ピントの合う範囲が狭くなり)、背景や手前がぼけて被写体が浮き上がって見えるようになります

この設定でオリのなかの動物にピントを合わせると、手前のオリがぼやけて見えなくなり消えます。注意したいのが、なるべくオリに近づき、オリから離れた動物を狙うこと。

オリと動物の距離が近いとオリが消えません。カメラがオリに近いほど、オリと動物が離れているほどベストです。

F値が小さな明るいレンズ以外に、オリから離れた動物を大きく捉えられ、またオリとオリの間から動物を狙うこともできる望遠レンズもおすすめです。

またオリと同じく気をつけなければならないのが、ガラス越しの動物を撮影するときのガラスの映り込みです。ガラス面になるべく近づいて背後の明るい景色が映り込まないように気をつけましょう。

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FUJIFILM X-A1 + FUJINON XC16-50mmF4.5-6.7OIS / ISO-400 / 露出補正+0.3 / 絞りF6.7 / 露出時間1/125秒 / フィルムシュミレーション ベルビア / WB AUTO

エサを頬張るカバを、オリとオリの間から望遠で撮影。顔を上げてこちらに目線を送ったときにシャッターを切りました。

きれいに見える構図を意識

周りの観光客や施設内の人工的な物を入れないようにしましょう。記念撮影であれば良いのですが、野生らしさが失われて、せっかく消したオリの意味がなくなってしまいます。

またブログなどインターネット投稿する場合は、特にプライバシーに配慮して周囲の人は入れないように気をつけなければなりません。

構図を決めたら、動物の顔が向いている側を空けるように撮影しましょう。バランスの良い写真になります。

また広角レンズよりも望遠レンズで撮影した方が被写体をクローズアップできて、背景をぼかすことで人工物が写り込むのを防ぐ効果も。

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FUJIFILM X-A1 + FUJINON XC50-230mmF4.5-6.7OIS / ISO-200 / 露出補正+1 / 絞りF6.7 / 露出時間1/50秒 / フィルムシュミレーション アスティア / WB AUTO

猿山で望遠レンズを使って撮影。猿山はどこからでも撮影できるだけに、広角で撮影すると反対側で見ている人が写り込んでしまいます。望遠レンズで動物のアップを狙えば、人が写り込むこともありません。

この場合も猿の体が向いた方向側の空間を空けることでバランスよく仕上げました。
動物が画面いっぱいになるように画角内に収めるのもいいでしょう。

シャッタースピードを味方に

細かく絶えず動く動物を撮影するには、ブレないようにシャッタースピードも大切です。シャッタースピード優先に設定してISO感度を上げ、1/250秒以上のスピードで撮影すれば、動いている動物も止まったように撮影できます。ISO感度を上げるとノイズは増えますが、手ブレするよりは良いといえます。

瞬間を逃さないためには、連写も有効です。ただしずっと連写で撮影していると、消費も激しくなるので気をつけましょう。

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FUJIFILM X-T10 + FUJINON XC16-50mmF4.5-6.7OIS / ISO-200 / 露出補正+0.3 / 絞りF5.6 / 露出時間1/140秒 / フィルムシュミレーション アスティア / WB AUTO

屋外だったのでISO感度は上げずに、絞り優先の連写で撮影。一羽がこちらを見た瞬間を撮ることができました。

ピントは「目」

口元や鼻など特別にクローズアップしたい場合をのぞいて、動物も人間と同様にピントは目に合わせるのが基本です。
目にピント合わせができたら、さらに上級テクニックとして、瞳に光が当たった瞬間を狙いましょう。

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FUJIFILM X-A1 + FUJINON XC16-50mmF4.5-6.7OIS / ISO-200 / 露出補正+0.7 / 絞りF6.7 / 露出時間1/5秒 / フィルムシュミレーション アスティア / WB AUTO

フェンス越しにオリを消して目にピントを合わせて。瞳に光が当たった瞬間に撮影。

動きも異なり、予想もしない表情を見せてくれる動物。その動物の魅力を引き出せた写真が撮れると、おのずと撮影の楽しさも倍増します。

動物園は家族だけが楽しむ場所ではなく、ひとりで来園して動物の表情を楽しむこともできる場所です。

ひと味違うワンランク上の撮影に、ぜひチャレンジしてみてください。

<写真・文/川窪葉子>

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