旅行に持っていきたいおすすめコンデジ・ミラーレス一眼
2016/1/6
旅行にカメラを持って行く場合にカメラ機材を選ぶ基準の一つになるのは、カメラ自体のボリュームと重量です。旅行中の様々なものをしっかりと写真として記録したいと考えると、画質最優先でデジタル一眼レフカメラなどを選択したくなります。
ですが、そうなるとカメラ本体の大きさに加え交換レンズなども必要となり、カメラ機材だけで結構な荷物になってしまいます。全行程を自家用車で移動、なんて旅でしたら、思い切って撮影機材にこだわってフル装備で臨むなんて撮影旅行もありでしょう。
しかし、公共交通機関を利用したり、徒歩で見学する場所が多かったりすると、カメラ機材の重さは意外と堪えるものです。旅行に持って行くカメラとして適当な機種には、使い方によっていくつかのジャンルが挙げられます。
上記のような移動の際の負担の観点も交え、カメラのジャンルごとにオススメ機種をいくつか取り上げてみましょう。
まず最初に
カメラに限らず、ほとんど全てのジャンルの物事に関して本当の意味での「オールマイティ」というのは存在しません。何か一つの要素に長けた製品は、ほかのどこかの要素を妥協しなければいけないものです。
今のデジタルカメラであっても事情はほとんど一緒で、どんな機種もどこかで何かを犠牲にしています。この点は頭の片隅にでも置いておいてください。
カメラを使う方それぞれがご自分がカメラを使うシーンにおいて何を優先するのか、その部分をよく考えると、自ずとそれぞれの人、それぞれの利用シーンに適したカメラが見えてくるでしょう。
大型センサー採用のコンデジ
今、デジカメのジャンルの中で盛り上がりを見せているものの一つがこのタイプのカメラです。
数年前までは、1/1.7型センサーや2/3型センサーといった、普及版のデジタルカメラより一回り大きなサイズのイメージセンサーを採用していた、高級コンデジと呼ばれるカメラです。低感度であればかなりきれいな画像を出力してくれる上に、サイズ的には十分コンパクトカメラと呼べる小ささを実現していました。
現在は1型センサーや、APS-Cセンサーといったより大型のイメージセンサーを採用する方向にシフトしつつあります。これは恐らく、1/1.7型程度のセンサーでは、高画質化してきたスマートフォンのカメラと画質面でも差別化が難しくなってきたことも要因の一つでしょう。1型センサーになると、画質面でもボケの大きさでも明らかにスマートフォンのカメラとは一線を画します。
最近では1型センサーを採用しつつ、従来のコンデジ同様のサイズを実現するカメラも登場しています。かなりの高画質での撮影を可能にした上で、いつでも気軽に持ち運べるサイズ、旅先でのの移動も苦にならないサイズを実現したカメラと言えるでしょう。
このジャンルのカメラであれば、携行性はほぼ最高。画質もかなりの水準。ただ、レンズのカバーする画角範囲には限りが出てきます。やや広めの広角から中望遠程度までをカバーするズームレンズを搭載するカメラが一般的となっています。
このジャンルでオススメできるカメラは、SONYのサイバーショットDSC-RX100M4、CanonのPowerShot G7X、G9Xです。
従来のコンデジよりは高価なカメラにはなりますが、その分画質が良く、ボケを作画に積極的に利用することも出来ます。
少し前の型になりますが、CanonのPowerShot G1XやFujifilmのX100などもお勧めしたい機種です。
旅カメラ
ここのところ少し落ち着いた感じがあるジャンルのカメラですが、コンパクトカメラのサイズに、ズーム比20倍、30倍と言った高倍率ズームを詰め込んだカメラが「旅カメラ」などと呼ばれてブームとなったことがありました。
レンズの焦点距離の始まりを25mmに設定しても、20倍ズームですら超望遠500mm相当までに手が届くという、レンズ側での被写体への対応能力が極めて高いのがこのカメラの特徴です。旅先で出会うほとんど全てのシーンにこのカメラ一台で対応可能になります。
ただ、このジャンルのカメラではイメージセンサーは普及価格帯のデジタルカメラと同じもので、今では同等のイメージセンサーを採用するスマートフォンも多数存在します。つまり基本的なカメラの画質はスマートフォンと同等ということです。画質面である程度の割り切りが必要になります。
このタイプのカメラだと、Canon製ならPowerShot SX710HS、SONYならサイバーショットDSC-WX500、PansonicのLUMIX DMC-TZ70、OLYMPUSのSTYLUS 1s、CasioのEXILIM EX-100PROがオススメです。
OLYMPUS、Casioのカメラはズーム倍率が低めで約10倍。さらに最近のコンデジとしては広角側が狭めな画角です。それでも、広角側は28mm、望遠側は300mm相当まで伸びますので、ほとんど全ての被写体をカバー可能です。また、イメージセンサーが一回り大きい1/1.7型で、画質面では有利となります。
Canon、SONY、Panasonicの機種は30倍ズーム搭載機ですが、イメージセンサーは1/2.3型の小さなものになります。レンズのカバーするレンジは驚異的ですが、画質面ではOLYMPUS、Casioの2機種には劣ります。利便性を取るか、サイズが限定される中でも少しでも画質の良い方を選ぶか。利用者の考え方、使い方次第で選択は変わってくると思います。
ネオ一眼
高倍率のズームレンズを搭載するという点では旅カメラと同一の方向性で、従来は旅カメラ同様に小型センサーを採用する機種ばかりでした。
それがここに来て少し変化が現れ、1型の比較的大型のイメージセンサーを搭載する機種も登場し始めています。このカメラは外観が標準ズームレンズを装着した一眼レフのような見た目をしていて、カメラ単体としてのサイズ・重量としては決して携行性に優れたものではありません。ですが、搭載しているレンズのズーム比が大変大きなカメラが多いので、レンズがカバー可能な被写体の範囲がとても広いこと、本体のみで完結して、交換レンズなどのオプションを一緒に持って行く必要がないことを考え合わせると、十分にコンパクトと言えるサイズ・重量に仕上がっている、と考えることも出来ます。
ただ、やはりサイズは上記二つのカメラよりもずっと大きくなります。旅先で撮影したい内容と荷物としてはかさばることを天秤にかけて、何を優先するのかを使う人それぞれが判断する形になります。
従来の小型センサーを採用するネオ一眼では画質の面である程度の我慢が必要でしたが、1型センサー採用機ではその部分で割り切る必要はほぼありません。
このジャンルでの注目株は、SONYのサイバーショットDSC-RX10M2、PanasonicのLUMIX FZ1000、CanonのPowerShot G3Xです。どの機種も1型センサー搭載機で、高倍率ズームレンズを搭載しています。レンズの明るさならDSC-RX10M2、ズーム倍率とコンパクトさならG3X、FZ1000は両者の折衷といったイメージです。
ミラーレス一眼
一眼レフほどかさばるカメラは持ちたくないけれど画質面でも妥協もしたくない、と言う場合の落としどころはここになると思います。
フォーサーズか、APS-Cサイズのセンサー、または35mmフルサイズセンサーを採用するミラーレス一眼です。1型センサーを採用するミラーレス機もありますが、そちらだとシステム面の強みはあるものの、サイズ面では1型センサー採用のコンパクトデジカメに一歩譲る部分があります。画質にこだわるのでしたらそれ以上の大きさのセンサーを持つ機種を選ばれる方が良いでしょう。
ミラーレス一眼のボディーはかなり小型化されたものも多くなっていますが、レンズはどうしても大きめになります。
画質にこだわってレンズまでこだわりの製品を使おうとすると、さらに機材のボリュームがかさみます。ほかの小型カメラよりも、もっと撮る写真の方向性を考えて機材を選ぶ必要のあるカメラです。ただ、それでも多くのデジタル一眼レフよりもずっと機材は小さく軽く済みます。
ミラーレス一眼は正直に書いてしまえば、どのメーカーのどの製品を選んでもほぼ外れはありません。それだけ全メーカーともカメラの成熟が進みました。
ただ、レンズのラインアップの充実度では、Panasonic・OLYMPUSのフォーサーズ陣営が一歩リードしていると言えます。
Canonは、EFマウントレンズをある程度お持ちの方ならばEOS Mシリーズを使うのもありですが、初めてのカメラ選びにはまだちょっとお勧めしにくい専用レンズの陣容となっています。
SONYのNEX αシリーズは純正のラインナップが充実しているほか、各種マウントアダプターが豊富にそろっているので、幅広いレンズ群から選択できるのが魅力です。
フィルムのコンパクトカメラ
こちらのジャンルのカメラは、今では新品のオススメ機種の紹介もほぼ無理と言っていい状況になりました。新製品として購入可能な製品が存在しません。
トイカメラではたくさんの種類が現在も販売されていますが、そういったカメラは旅先での風景などをキレイに残すカメラとしては適していません。
中古で状態の良い高級コンパクトカメラを探すしかないかもしれません。
機種としてはCONTAXのTシリーズ、ニコンの35Ti、28TiやミノルタのTC-1などが該当すると思いますが、故障してももう修理部品なども払拭しています。お持ちの方は大事に使われると良いと思います。
フィルム機でしか出せない色合いや味わい、一枚一枚への思い入れなどデジタルでは味わえない楽しみを感じたい方はコンパクトフィルム機を旅のお供にしてはいかがでしょうか。
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