カメラ好きなら誰もが一度は手にしたいと憧れる、ニコンのフラッグシップミラーレスカメラ「Nikon Z9」。そして、プロからアマチュアまで絶大な信頼を寄せる大口径望遠ズームレンズ「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」。
この最高峰の組み合わせによる実写レビューをお届けします。
フラッグシップの余裕。Nikon Z9がもたらす撮影への没入感
2021年12月24日に発売された「Nikon Z9」は、ニコンのZシリーズを牽引するフラッグシップモデルです。その最大の特徴は、従来のカメラにあった物理的な「メカシャッター」を完全に排除し、電子シャッターのみを採用した「メカシャッターレス構造」です。これにより、シャッターを切った際の微小な振動がなくなり、さらにファインダー像が途切れない「ブラックアウトフリー」での快適な撮影が可能になりました。

有効約4571万画素の高精細な画像と、人物や乗り物など9種類の被写体検出に対応した高度なオートフォーカス(AF)システムが、撮影者を強力にサポートします。街中でふと出会った魅力的な瞬間でも、ピント合わせはカメラに任せて、自分は構図作りや被写体の表情に集中することができます。この「カメラへの絶対的な信頼感」こそが、Z9を使う最大の喜びと言えるでしょう。


絞り開放から驚きの解像力。Z 70-200mm f/2.8 VR Sの実力
組み合わされたレンズ「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」は、2020年8月28日に発売された、ズーム全域でF2.8という明るさを保つ、通称「大三元」と呼ばれる高性能レンズの一つです。

このレンズの凄さは、絞り開放(一番明るいF2.8の設定)から、画面の中心だけでなく隅々まで非常にシャープに解像することです。一般的に、レンズは絞りを開放すると少し描写が甘くなることがありますが、Zマウントの光学性能を最大限に活かしたこのレンズにはその常識が通用しません。建物の外壁のざらつきや、遠くにある案内板の小さな文字まで、肉眼以上のクリアさで克明に描き出してくれます。


主題を際立たせる、美しく自然なボケ味
望遠レンズを使う醍醐味といえば、何といっても被写体を立体的に浮き上がらせる「ボケ味」です。
ピントが合っている部分は非常にシャープで引き締まっている一方で、ピント面から外れた背景や前ボケは、まるで水彩画のように滑らかに溶けていきます。情報量が多い街角の雑踏や、雨の日の風景であっても、この美しいボケのおかげで主役となる被写体に自然と視線が誘導されます。絞りF2.8の明るさと、望遠レンズ特有の圧縮効果を活かすことで、見慣れた日常の風景がドラマチックな映画のワンシーンのように生まれ変わります。


望遠ズームなのにここまで寄れる。近接撮影で広がる表現力
望遠ズームレンズは「遠くのものを大きく写す」ためだけのものだと思っていませんか? 実は「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」は、望遠ズームでありながら、被写体に近づいて撮影できることも大きな魅力です。
最短撮影距離は、70mm側で0.5m、200mm側で1.0m。望遠レンズとしては被写体に寄りやすく、カフェのテーブルに並ぶ小物や、道端に咲く花なども、細部を引き立てながらクローズアップして撮影できます。
さらに、開放F2.8の明るさを活かせば、ピントを合わせた部分をシャープに描きながら、背景を大きくぼかした印象的な写真に仕上げることも可能です。遠くの風景から身近な被写体まで、レンズ交換の手間を減らしながら幅広い表現を楽しめる一本です。

強力な手ブレ補正が支える、暗い場所での手持ち撮影
大口径望遠ズームレンズは、どうしても重量が気になるもの。しかし、「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」は、強力な手ブレ補正機構を搭載し、手持ち撮影を力強くサポートしてくれます。
レンズ内のVR機構は、CIPA規格に基づく条件で最大5.5段分の補正効果を発揮します。夕暮れ時や室内など、シャッタースピードが遅くなりやすい場面でも、手ブレを抑えながら撮影できるのが大きな魅力です。三脚を使いにくい場所でも機動力を活かし、目の前の光景をその場で切り取ることができます。
さらに、開放F2.8の明るさも、光量の少ないシーンで心強い味方になります。手ブレ補正とレンズの明るさを活かすことで、撮影の自由度が広がり、さまざまな環境で表現を楽しめる一本です。
最高峰の機材で、日常をアートに変える喜び
Nikon Z9とNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sの組み合わせは、まさに「妥協のないシステム」です。高いスペックを持っているだけでなく、それが「撮影の失敗を減らし、撮る楽しさを純粋に味わわせてくれる」という形でしっかりと撮影者に還元されています。
難しい設定を考えなくても、カメラとレンズの圧倒的なポテンシャルが、見慣れた新宿の街並みや雨の日の何気ない風景をドラマチックな作品へと昇華させてくれました。カメラが好きな方なら、ファインダーを覗いてシャッターを切るだけで思わず笑顔になってしまうはずです。 決して気軽な機材ではありませんが、一生モノとして使い込みたくなる感動を与えてくれます。ぜひ皆さんも、この圧倒的な表現力をご自身の手で体感してみてください。
Nikon Z9について
2021年に発売されたフルサイズミラーレスデジタル一眼カメラ。
有効画素数4571万画素のCMOSセンサーと画像処理エンジン「EXPEED 7」を搭載しています。
被写体検出AFや最高約120コマ/秒の高速連続撮影に対応し、8K UHD動画の撮影も可能です。
電子シャッターを採用し、ニコンZマウントの交換レンズを使用できます。
幅・高さ・奥行:約149mm×149.5mm×90.5mm
重量:約1340g(バッテリー・メモリーカード含む)
NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sについて
ニコンのフルサイズミラーレスカメラに対応する、Zマウントの望遠ズームレンズです。
焦点距離70〜200mm、ズーム全域で開放F値2.8に対応し、人物やスポーツなどの撮影に活用できます。
手ブレ補正機構「VR」を搭載し、ニコンの高性能レンズシリーズ「S-Line」に属するレンズです。
最大径・長さ:約89mm×220mm
重量:約1,360g(三脚座リングなし)
NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sの商品一覧はこちら
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