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Rollei QZ 35W 作例&レビュー|美しき高級コンパクト

フィルムカメラの独特な風合いや、一枚一枚を丁寧に撮る楽しさが、近年あらためて再評価されています。数あるフィルムカメラの中でも、一際異彩を放つ贅沢な大人のコンパクトカメラが存在します。

今回ご紹介するのは、1997年に登場した高級コンパクトフィルムカメラ「Rollei QZ 35W」です。

名門ローライの光学技術と洗練されたインダストリアルデザインが融合したこの1台を携えて、街を歩いてみました。実際に撮影した作例を交えながら、その魅力と使用感をじっくりとレビューします。

Rollei QZ 35Wの特徴

「Rollei QZ 35W」は、1997年に発売された高級35mmコンパクトフィルムカメラです。1990年代後半の高級コンパクトカメラブームの中で、ドイツのローライと韓国のサムスン航空産業(Samsung Aerospace Industries)が共同開発したプレミアムモデルとして知られています。

主な特徴を3つ挙げてみましょう。

1. ポルシェデザインが手掛けた上質なチタン外装

外観デザインは、初代ポルシェ911のデザイナーとして知られるフェルディナンド・アレクサンダー・ポルシェ率いるPorsche Design Studioが担当。アルミダイキャスト製のコアにチタン合金の外装を組み合わせたボディは、高級感あふれる質感と優れた剛性を両立しています。流れるような美しい曲線とソリッドな存在感を備え、プレミアムコンパクトならではの品格を感じさせるデザインに仕上げられています。手にした瞬間から、所有する喜びを実感できる一台です。

2. HFTコーティング採用の「Vario-Apogon」ズームレンズ

レンズには、RolleiブランドのHFT(High Fidelity Transfer)マルチコーティングを施した、28-60mm F2.8-5.6 Vario-Apogonを採用。「W」はワイド(広角)を意味し、28mmの広角から60mmの標準域までをカバーしています。風景や街並みの撮影はもちろん、日常のスナップや旅行など、さまざまなシーンで使いやすい画角を備えた高品位なズームレンズです。

3. 本格的な露出制御と最速1/8000秒シャッター

プログラムAE(カメラがシャッター速度と絞りを自動で決定する機能)に加え、絞り優先AE、シャッター速度優先AE、マニュアル露出を搭載。コンパクトカメラとは思えない本格的な露出コントロールを楽しめます。さらに、シャッター速度は最速1/8000秒まで対応。明るい屋外でも露出を細かくコントロールしやすく、幅広い撮影シーンに対応します。

実際に撮影して感じたポイント

一般的なコンパクトカメラを想像して手に取ると、約640gという重量感に驚くかもしれません。しかし、その重さは撮影時の安定感にもつながっており、チタン外装ならではの上質な質感と相まって、手にした瞬間から特別な一台であることを実感できます。操作性も良好で、オートフォーカスは快適に動作し、ファインダーを覗いてシャッターを切るまでの一連の流れもスムーズです。さらに、Vario-Apogonズームレンズはズームレンズとは思えないほどクリアでシャープな描写を見せ、高級コンパクトらしい高い描写性能を楽しめます。

作例レビュー

それでは、実際に「Rollei QZ 35W」で街の風景を切り取った作例を見ていきましょう。

1. 日常の愛らしい一瞬

車の窓からひょっこりと顔をのぞかせた、可愛らしい黒柴犬を捉えた一枚です。少し動きのあるシーンでも、オートフォーカスが被写体を的確に捉え、毛並みの質感までクリアに描写しています。背景にある工事看板の文字も判読できるほどで、レンズの高い解像感もうかがえます。

2. 自然なボケが生み出す立体感

街中を歩く撮影仲間の後ろ姿を捉えた一枚です。被写体にはしっかりとピントが合い、歩きながら両手を広げる自然な動きまで鮮明に描写されています。一方で、背景の街並みはやわらかく自然にボケており、被写体が印象的に浮かび上がっています。Vario-Apogonズームレンズらしいクリアな描写と自然なボケ味が調和し、街の空気感まで感じられる仕上がりです。

3. 突き抜けるような青の表現

青空に向かって伸びる赤と白のクレーンを捉えた一枚です。澄み渡る青空の発色が印象的で、クレーンの鮮やかな赤と白とのコントラストも美しく表現されています。クリアな抜けの良さと自然な色再現からは、HFTマルチコーティングを採用したVario-Apogonレンズらしい描写性能が感じられます。

4. 自然な遠近感と街の空気感

停車したトラックと、坂道を走る軽自動車が印象的な一枚です。道路が奥へ向かって伸びる構図によって、街の広がりや奥行きが自然に表現されています。左右を彩る木々の緑と建物の質感も丁寧に描写されており、何気ない街の日常風景を印象的に切り取っています。

5. 街角のディテールを克明に写す

理容店の店先を切り取った一枚です。石張りの外壁やサインポール、自転車など、それぞれの質感が自然に描写されており、街角の日常がそのまま伝わってきます。派手さを演出するのではなく、見たままの雰囲気を素直に写し出す描写力が印象的です。

6. 一瞬のチャンスを逃さない軽快さ

見上げた建物の合間、高い空を横切る小さな飛行機を配置した構図。電線が波打つユニークな手前の要素と、遠くの空のグラデーションが綺麗に同居しています。スナップカメラとして、撮りたいと思った瞬間にサッと構えられる使い勝手の良さがあります。 

7. 光と影の美しいコントロール

白い日傘を差して路地を歩く女性の日常的な1コマ。強い日差しがもたらすアスファルトの濃い影と、日傘に当たるハイライト(明るい部分)の露出バランスが絶妙です。カメラの露出計(明るさを測るセンサー)が賢く働いていることが分かります。

8. 大胆な構図が生み出す迫力

ビルを見上げる大胆なアングルで撮影した一枚です。空へ向かって伸びる建物のラインが印象的で、都市ならではの力強さや開放感が感じられます。澄んだ青空と建物の外壁とのコントラストも美しく、街の風景を印象的に切り取っています。

9. レトロな佇まいを映画のワンシーンのように

コインランドリーの入り口と、その横に置かれた青い自動販売機。見慣れた日本の街並みですが、このカメラを通してフィルムに焼き付けると、どこか異国の情緒や映画のワンシーンのような格好良さが漂います。 

まとめ

Rollei QZ 35Wは、ポルシェデザインによる洗練されたデザインと、チタン外装ならではの上質な質感、そしてVario-Apogonレンズが描き出す自然で美しい描写が魅力のプレミアムコンパクトカメラです。

プログラムAEによる手軽な撮影から、絞り優先AEやシャッター速度優先AE、マニュアル露出を活用した本格的な撮影まで楽しめるため、コンパクトカメラでありながら幅広い撮影スタイルに対応します。

現在では中古市場で探すことになるモデルですが、Rollei QZ 35Wには、写真を撮る楽しさだけでなく、カメラを所有する喜びも味わえる魅力があります。デザイン、描写、操作性のすべてにこだわりたい方に、ぜひ一度手に取っていただきたい一台です。

 

Rollei QZ 35Wについて

Rollei QZ 35Wは、1997年に発売された35mmフィルムコンパクトカメラです。Porsche Design Studioによるデザイン、チタン外装、Rollei Vario-Apogon 28-60mm F2.8-5.6 HFTレンズを採用したプレミアムモデルです。プログラムAEに加え、絞り優先AE、シャッター速度優先AE、マニュアル露出を搭載し、幅広い撮影スタイルに対応します。

・発売年:1997年
・フィルム:35mmフィルム(135フィルム)
・レンズ:Rollei Vario-Apogon 28-60mm F2.8-5.6 HFT
・オートフォーカス:アクティブAF
・露出モード:プログラムAE/絞り優先AE/シャッター速度優先AE/マニュアル露出
・シャッター速度:16秒~1/8000秒(バルブ対応)
・使用電池:CR2リチウム電池×2
・重量:約670g(電池含む)
・外形寸法:145×78×59mm

 

Rollei QZ 35Wの商品一覧はこちら

 

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