デジタルカメラが主流となった現在でも、多くの写真愛好家を惹きつけ続けている「Leica M6」。
今回は、Leica M6に「Leica Summicron-M 35 f/2 ASPH.」を組み合わせて撮影した作例とともに、その使い心地や35mmという焦点距離の魅力をレビューします。
「Leica M6 レビュー」「Summicron 35mm 作例」を探している方はもちろん、M型ライカでフィルム撮影を始めてみたい方にも、この組み合わせならではの楽しさが伝わればと思います。
Leica M6|1984年に登場したM型ライカの代表的モデル
Leica M6は1984年に登場した、35mmフィルムを使用するレンジファインダーカメラです。
M型ライカらしいコンパクトなボディに露出計を内蔵し、ピント合わせやシャッタースピード、絞りといった撮影の基本操作は自分自身で行います。
オートフォーカスや本体内蔵の自動巻き上げ機構はありません。
ファインダーを覗き、二重像を重ねてピントを合わせ、露出を確認してシャッターを切る。そして巻き上げレバーで次の一枚へ。
現代のカメラと比べれば手間のかかる操作ですが、この一連の動作そのものがLeica M6を使う楽しさでもあります。
撮影するまでに少し時間が必要だからこそ、「何を撮るか」「どこにピントを置くか」を自然と考えるようになります。

Leica Summicron-M 35 f/2 ASPH.|日常を撮りやすい35mm
今回M6に組み合わせたのが、Leica Summicron-M 35 f/2 ASPH.です。
焦点距離35mm、開放F値F2のMマウント単焦点レンズで、「ASPH.」の名称が示す通り非球面レンズを採用しています。
35mmという画角は、50mmよりも広く、28mmほど広角的になりすぎない絶妙な距離感。
人物を中心に撮ることも、その人物がいる場所や周囲の景色まで一緒に写すこともできます。
街中のスナップ、旅行、風景、ポートレートなど、一本でさまざまな被写体に向き合えるのが35mmの大きな魅力です。
コンパクトなレンズなのでM6とのバランスも良く、カメラを持って街を歩きながら、気になった瞬間にレンズを向けるスタイルにもよく似合います。

35mmで見上げる、桜と青空
今回撮影したのは桜の季節。
まず目に入ったのは、青空に向かって大きく伸びる桜の木でした。
35mmで撮影すると、花だけを切り取るのではなく、太い幹や枝の流れ、その向こうに広がる青空まで自然に一枚の中へ収めることができます。
広角らしい広がりを感じさせながらも、画面の中心となる被写体が小さくなりすぎない。
その場に立って見上げたときの印象を、一枚の中に残しやすいのが35mmという画角です。

作例レビュー|人物と背景を一緒に残す
次は、桜の中で撮影したポートレート。
35mmは人物だけを大きく切り取るというより、人物とその周囲にある風景を一緒に写す撮影にも向いています。
今回の作例でも、人物の表情をしっかりと捉えながら、その周囲を囲む桜まで画面の中に残しています。
背景を完全に消してしまうのではなく、「どこで、どんな季節に撮ったのか」まで一枚から感じられるのが印象的です。
ピントを合わせた人物にはしっかりとした存在感があり、その前後にある花や背景は自然に画面へ溶け込んでいます。
人物だけではなく、その場の空気まで一緒に写したいときに、35mmという焦点距離の良さがよく分かります。

一歩引けば、桜のある風景になる
同じ桜でも、撮影者が少し後ろへ下がるだけで写真の印象は大きく変わります。
枝いっぱいに広がる花、その奥を歩く人、背景に見える木々。
一つの被写体だけではなく、その場所全体の雰囲気が一枚の中に入ってきます。
35mmは、近づけば被写体を主役にでき、少し引けば周囲の環境まで含めて見せることができます。
ズームではなく単焦点だからこそ、自分自身が一歩前へ出たり、一歩後ろへ下がったりしながら構図を決める。
その小さな動きで写真が大きく変わるのも、単焦点レンズを使う楽しさのひとつです。

花に囲まれた人物をフィルムに残す
もう一枚の人物作例では、手前の桜を大胆に画面へ取り入れています。
人物だけではなく、花や背景にいる人々まで一緒に写ることで、その瞬間の空気がより伝わってくる一枚になっています。
今回の作例では、人物の肌や桜、背景の光が穏やかなトーンでまとまっているのも印象的です。
フィルム写真の色やコントラスト、粒状感は、使用するフィルムだけでなく現像やスキャンによっても変化します。
そのため、特定の色味だけをレンズの特徴として見るのではなく、レンズ、フィルム、光、そして撮影した瞬間が重なって生まれた一枚として楽しみたいところです。

Leica M6は「撮るまでの時間」も楽しい
Leica M6とSummicron-M 35 f/2 ASPH.の魅力は、完成した写真だけではありません。
フィルムを入れる。巻き上げる。ファインダーを覗く。ピントを合わせる。露出を確認する。そしてシャッターを切る。
一枚を撮影するまでに、自分の手で行う操作がいくつもあります。
だからこそ、「本当にこの瞬間を撮りたいのか」と考える時間が自然に生まれます。
普段なら通り過ぎてしまう花や光、街角の景色にも目が向くようになる。
写真を撮るために急ぐのではなく、カメラを持ちながら歩き、目に留まったものにレンズを向ける。
Leica M6は写真を撮るための道具であると同時に、いつもの景色を見る速度を少しだけ変えてくれるカメラなのかもしれません。
Leica M6 + Summicron 35mmは日常を撮りたい人におすすめ
Leica M6 + Leica Summicron-M 35 f/2 ASPH.は、派手な機能を楽しむための組み合わせではありません。
人物、街、旅行、花、そして何気ない日常。
目の前にあるものを、自分の距離感で一枚ずつ残していくための組み合わせです。
扱いやすい35mmという画角、コンパクトなM型ライカ、そして自分の手でフィルムを送りながら撮影する時間。
便利さとは違うところに、このカメラとレンズならではの楽しさがあります。
Leica M6の購入を検討している方や、Summicron 35mmの作例を探している方には、ぜひ一度この組み合わせを手に取ってみてほしいと思います。
写真を撮ることだけではなく、カメラを持って出かけることまで楽しくしてくれる。
Leica M6とSummicron-M 35 f/2 ASPH.は、そんな組み合わせです。
Leica M6について
1984年に登場した35mmフィルムのレンジファインダーカメラ。
Leica Mバヨネットマウントを採用したレンズ交換式で、内蔵露出計により露出を確認しながら撮影できます。
ピント合わせはファインダー内の二重像を合わせて行い、シャッタースピードや絞りは手動で設定します。
機械式シャッターと手動巻き上げを基本としながら、TTL露出計を備えたM型ライカです。
幅・高さ・奥行:138mm×77mm×40mm(2022年再発売モデル)
重量:575g(バッテリーなし、2022年再発売モデル)
Summicron-M 35mm f/2 ASPH.について
2016年に発表された、ライカMマウント用の35mm単焦点レンズ。
焦点距離35mm、開放F値F2に対応し、35mm判で対角63°の画角を持つレンズです。
レンズ構成は7枚5群で、非球面レンズ1面を採用しています。
最短撮影距離は0.7m、絞り羽根は11枚、フィルター径はE39です。
ライカMマウントの距離計連動式カメラで使用できる、35mm標準広角レンズです。
幅・高さ・奥行:53mm×53mm×35.7mm(レンズフードなし)
重量:252g(レンズフード、キャップなし)
Summicron-M 35mm f/2 ASPH.の商品一覧はこちら
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