CASIO EXILIM ZOOM EX-Z40は、2004年に発売されたコンパクトデジタルカメラです。
今回のレビューでは、実際に撮影した作例を見ながら、EX-Z40の写りや操作感、現在あらためて使う面白さをご紹介します。
スマートフォンのカメラが、明るさや色を自動的に整えてくれる現在。約20年前のオールドコンデジで撮影すると、白く飛ぶ光や深く沈む影、直射フラッシュの強さまでもが、その瞬間の空気として写真に残ります。
CASIO EXILIM ZOOM EX-Z40は、撮影者がすべてをコントロールするカメラというよりも、カメラが見た世界を楽しむ一台です。

作例|青空と木々を大胆な色で描く
最初の作例は、街中に立つ大きな木を見上げて撮影した一枚です。

空には青だけでなく、紫や淡いピンクを含んだ色が広がっています。一方、逆光になった木の幹や葉は暗く沈み、空との強いコントラストが生まれました。
現在のスマートフォンで同じ場所を撮影すると、HDR処理によって木の暗部が持ち上げられ、空の明るさも自動的に整えられることが多いでしょう。
EX-Z40の作例では、明るい場所と暗い場所の差がそのまま残っています。そのため、木のシルエットが力強く浮かび上がり、実際の風景以上に印象的な一枚になりました。
正確な色再現とは少し異なるかもしれません。しかし、この予想しきれない発色こそ、古いデジタルカメラで撮る面白さです。
35〜105mm相当の光学3倍ズームを搭載
EX-Z40のレンズは、35mm判換算で約35〜105mm相当をカバーします。
広角側の35mm相当は、街歩きや旅行、友人との記念写真に使いやすい画角です。周囲の風景を取り込みながら、主役となる被写体もしっかり見せられます。
望遠側の105mm相当までズームすれば、少し離れた人物や建物の一部分を切り取ることも可能です。マクロモードでは約6〜50cmまで近づけるため、小物や料理の撮影にも対応します。
現代の高倍率ズーム機と比べると、ズーム範囲は決して広くありません。しかし、35mm、50mm、そして中望遠という基本的な画角を一台で試せるため、撮影時に迷いにくいという利点があります。
作例|強い光と影を瞬間的に切り取る
次の作例では、歩いている人物の足元と、地面に伸びる影を撮影しています。

人物の顔や全身を写すのではなく、足の動きと影だけを画面に入れたことで、街の中を歩く速度や時間の流れが感じられる写真になっています。
左側から差し込む光は白く輝き、人物の衣服や靴は黒く沈んでいます。階調を均一に整えず、光と影の差を強く残すEX-Z40の描写が、この場面では効果的に働きました。
少し傾いた構図や、画面の端で切れた被写体も、この写真では欠点ではありません。歩きながら反射的にシャッターを切ったような、不安定さと勢いがあります。
オールドコンデジは、完成された一枚を慎重に作るだけでなく、目の前の瞬間に反応して撮る楽しさを思い出させてくれます。
約1.6秒の起動とオートパンフォーカス
EX-Z40は、カシオ公称で約1.6秒の高速起動と、約0.01秒のレリーズタイムラグを実現していました。
また、シャッターボタンを半押しせずに一気に押し込んだ場合、オートフォーカスを待たずにパンフォーカスで撮影する「オートパンフォーカス機能」を搭載しています。
現代のカメラと同じ感覚で考えれば、動作には古さを感じる部分もあります。それでも、2004年当時の薄型コンパクトカメラとしては、撮りたい瞬間を逃さないことを強く意識した設計でした。
足元の影や、通り過ぎる人、ふと差し込んだ光。そうした場面を見つけたとき、ポケットから取り出してすぐ撮影できることが、EX-Z40の大きな魅力です。
作例|直射フラッシュがつくるY2Kの空気
最後の作例は、街中で撮影した人物写真です。

カメラを少し傾けた構図、至近距離から当てられた直射フラッシュ、明るく飛んだ背景。現在の整ったポートレートとは異なる、荒々しく即興的な仕上がりです。
人物の肌や服にはフラッシュの光が直接当たり、背景との距離が一気に分離しています。黒い衣服の質感やアクセサリー、腕のタトゥーも強調され、被写体の存在感が前面に出ました。
この撮り方には、2000年代のファッションスナップや、友人同士で撮ったパーティーフォトのような空気があります。
自然な光を再現するのではなく、その場所にフラッシュの光をぶつける。EX-Z40の内蔵フラッシュを積極的に使用すると、いわゆるY2K的な雰囲気を持つ写真を楽しめます。
400万画素CCDだからこそ残せるもの
EX-Z40の最高記録サイズは2304×1728ピクセルです。画質は「高精細」「標準」「エコノミー」から選択できます。
大きくトリミングしたり、大判で精細に印刷したりする用途には、現在の高画素機が適しています。
一方、スマートフォンで写真を眺める、SNSへ投稿する、小さくプリントするという使い方なら、400万画素でも十分に楽しめる場面があります。
高画素ではないからこそ、細部よりも写真全体の色や光、写っている人の表情に目が向きます。
写真を拡大して性能を確認するのではなく、一枚のイメージとして眺める。EX-Z40は、そんな写真との付き合い方が似合うカメラです。
CASIO EXILIM ZOOM EX-Z40はこんな方におすすめ
EX-Z40は、オールドコンデジらしい写真を気軽に楽しみたい方に適しています。
スマートフォンとは異なる色や階調を試してみたい方、直射フラッシュを使った人物スナップを撮りたい方、2000年代のデザインやデジタル機器が好きな方にも面白い一台です。
撮影結果を完全に予測できないことも含めて楽しめる方なら、EX-Z40は日常の風景を新鮮に見せてくれるでしょう。
まとめ|きれいに写りすぎないから、記憶に残る
CASIO EXILIM ZOOM EX-Z40は、有効400万画素CCDと光学3倍ズームを搭載した、2004年発売のコンパクトデジタルカメラです。
現在の基準で見れば、画素数や液晶モニター、動画機能などに古さを感じる部分はあります。
しかし、今回の作例では、紫を含んだ空の色、地面に伸びる強い影、人物に直接当たるフラッシュの光など、スマートフォンとは異なる写真が生まれました。
白く飛んだ部分も、暗く沈んだ部分も、その場でシャッターを切った証拠として残ります。
きれいに補正された写真ではなく、その日の光や空気を少し荒々しく持ち帰る。
CASIO EXILIM ZOOM EX-Z40は、写真を撮る行為そのものを楽しませてくれるオールドコンデジです。
CASIO EXILIM ZOOM EX-Z40について
CASIO EXILIM ZOOM EX-Z40は、2004年3月に発売されたEXILIMシリーズのコンパクトデジタルカメラです。
有効400万画素の1/2.5型原色CCDセンサーと、35mm判換算約35〜105mm相当の光学3倍ズームレンズを搭載。レンズには「smc PENTAX LENS」が採用され、開放F値はF2.6〜4.8です。
本体サイズは約87×57×19.7〜23.1mm、重量は本体のみで約121g。薄型の名刺サイズボディに、ズームレンズ、光学ファインダー、2.0型液晶モニターを収めています。
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