今回はLeica M11に「Tri-Elmar-M 16-18-21mm f/4 ASPH.」を組み合わせ、街中の建築物や夜景を撮影しました。
16mm・18mm・21mmという3つの焦点距離を切り替えて使用できる、ライカの超広角レンズです。
普段見慣れている建物や街の風景も、超広角レンズを通して見ることで、まったく違った表情を見せてくれます。
今回は実際に撮影した4枚の作例とともに、このレンズならではのパースペクティブや、光と影の表現について紹介します。
Tri-Elmar-M 16-18-21mm f/4 ASPH.|3つの画角を楽しめる超広角レンズ

Tri-Elmar-M 16-18-21mm f/4 ASPH.は、ライカMマウント用の超広角レンズです。
焦点距離は16mm・18mm・21mmの3段階に切り替えが可能。一般的なズームレンズのように無段階で変化するのではなく、3つの画角を選択する仕組みになっています。
16mmでは、人間の視野を大きく超える広大な空間を一枚に収められます。一方、21mmでは超広角らしさを残しながら、被写体を比較的整理して切り取ることができます。
レンズ構成は7群10枚で、非球面レンズを採用。開放F値はF4、重量は約335g。
極端な広角でありながら、M型ライカとの組み合わせで持ち歩きやすいサイズにまとめられています。
このレンズで特に面白いのは、単に広い範囲を撮影できることではありません。
撮影する位置やカメラの角度によって、直線や曲線、奥行きの見え方が大きく変化することです。
作例①|夜の伝統建築を、光と影で描く

最初の一枚は、夜間にライトアップされた伝統的な建築物です。
暗闇の中に浮かび上がる、黄金色に照らされた木造建築。
屋根の大きな広がり、細かな装飾、そして手前に続く石畳まで、一枚の写真の中に収めています。
超広角レンズを使うことで、建物全体の壮大さだけではなく、その場所に立っているような空間の広がりまで伝わってきます。
特に印象的なのは、明るく照らされた建物と、周囲を包み込む深い黒のコントラスト。
光が当たる部分を強調することで、建築の立体感や装飾の美しさが際立っています。
広角レンズは風景を広く写すだけでなく、光と影の関係を一枚の中に構成する楽しさも持っています。
作例②|暗闇に浮かぶ、現代建築の直線

続いては、夜の現代建築を見上げるように撮影した一枚。
画面を斜めに横切る構造物と、それを支える複数の直線。
建物の一部分を大胆に切り取ることで、普段は意識しない構造そのものが写真の主役になります。
暗い空間の中に暖色の照明が浮かび上がり、金属の質感や建物の曲線を印象的に見せています。
画面の大部分を占める黒い余白も、この写真の重要な要素です。
すべてを明るく写すのではなく、暗い部分を残すことで、光が当たっている場所へ自然と視線が集まります。
超広角だからこそ生まれる大胆な構図と、夜間の照明が組み合わさった一枚です。
作例③|階段の先に広がる、都市の奥行き

こちらは、階段を下から見上げるように撮影した写真です。
左右に伸びる手すりや壁面が、画面中央の人物へ向かって収束しています。
超広角レンズでは、手前と奥の距離感を強調するような構図を作ることができます。
今回の作例でも、手前の階段が大きく写る一方、奥に立つ人物は小さく配置され、強い奥行きが生まれています。
左側のカラフルな壁面と、右側の落ち着いた建物の色。
その対比も面白く、階段という日常的な場所が、幾何学的で印象的な風景に変わっています。
超広角レンズで人物を撮影するときは、人物を大きく写すだけでなく、周囲の空間と組み合わせることでも写真に物語を持たせられます。
作例④|螺旋階段を見上げて、曲線を楽しむ

最後は、螺旋階段の下から見上げた一枚です。
中心から外側へと広がる階段の構造。
曲線を描く手すりや金属の階段が、画面の中に独特なリズムを生み出しています。
普段は上り下りするための階段も、視点を変えて見上げると、まるで抽象的なアート作品のように見えてきます。
今回の写真では、建物の直線と螺旋階段の曲線、そして隙間から見える空が組み合わさり、立体的な構図になっています。
光が当たる金属部分と、影に沈む部分との階調も印象的です。
超広角レンズは、こうした建築物の形状を大胆に切り取る撮影と非常に相性が良いと感じます。
Leica M11との組み合わせ|超広角の世界を細部まで楽しむ
今回使用したLeica M11は、約6,030万画素のフルサイズセンサーを搭載したデジタルレンジファインダーカメラです。
Tri-Elmar-M 16-18-21mm f/4 ASPH.と組み合わせることで、広い画角の中にある建物の装飾や細かな線まで記録できます。
特に今回のような建築撮影では、画面全体に複雑な構造が広がることも多く、高画素センサーの魅力を活かせる組み合わせです。
一方、M11の光学ファインダーには16mm・18mm・21mmの専用ブライトフレームがありません。
そのため、正確な構図を確認したい場合には、背面モニターのライブビューや外付けEVFを利用すると便利です。
また、超広角ではカメラを少し傾けるだけでも建物の線の見え方が大きく変わります。
水平を意識して整った建築写真に仕上げるのも良いですし、今回の作例のように大胆に見上げ、パースペクティブを表現として活かすのも面白い撮影方法です。
まとめ|見慣れた景色を、違った視点から
Tri-Elmar-M 16-18-21mm f/4 ASPH.で撮影して感じるのは、超広角レンズは単に広い景色を収めるためだけのものではない、ということです。
建築物の直線や曲線、夜の照明、暗闇の中に浮かぶ光。
普段なら何気なく通り過ぎてしまう場所でも、カメラを向ける角度を変えるだけで、まったく違った写真が生まれます。
16mm・18mm・21mmという3つの画角を使い分けながら、自分なりの構図を探す。
そんな撮影の楽しさを教えてくれる一本です。
風景撮影はもちろん、建築写真や都市のスナップ撮影が好きな方にも、ぜひ一度試していただきたいレンズです。
今回使用した機材
Leica M11
2022年発売のデジタルレンジファインダーカメラ。約6,030万画素のフルサイズ裏面照射型CMOSセンサーを搭載し、3段階の記録解像度を選択できます。
センサー フルサイズ裏面照射型CMOS
画素数 約6,030万画素
ISO感度 64~50000
DNG解像度 60.3/36.5/18.4 MP
内蔵メモリー 64GB
シャッター メカ最高1/4000秒、電子最高1/16000秒
本体重量 ブラック約530g/シルバー約640g(電池込み)
Leica Tri-Elmar-M 16-18-21mm f/4 ASPH.
16mm・18mm・21mmの3つの超広角を使い分けられるレンズ。7群10枚の光学構成に2枚の非球面レンズを採用しています。
焦点距離 16/18/21mm
開放F値 F4(全焦点距離)
最小絞り F22
レンズ構成 7群10枚
対角画角 107°/100°/92°
最短撮影距離 0.5m
フィルター E67(別売ホルダー使用)
重量 約335g
Leica Tri-Elmar-M 16-18-21mm f/4 ASPH 商品一覧はこちら
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