名機復活!!OLYMPUS ペン PEN-Fから紐解く”PEN”の歴史  

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名機復活!!OLYMPUS ペン PEN-Fから紐解く”PEN”の歴史

2016/7/13

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2016年2月に発売されたミラーレス一眼カメラ、オリンパス PEN-Fが大変人気を博しています。

オリンパスのマイクロフォーサーズ機には、OM-DとPENのシリーズがあるのはご存知の通りでしょう。一眼レフライクなスタイルで本格派の雰囲気を持つOM-Dに対し、PENは女性やビギナーなどライトユーザー向けというイメージでしたが、この「PEN-F」はエキスパート向けのプレミアムなPENとして登場しました。

「PEN-F」と聞いてピンと来た方も多いと思いますが、これは1963年に発売された世界初のハーフサイズ一眼レフ、オリンパス・ペンFと全く同じ名前ですね。

これまでOM-Dには「OM-D E-M○」、PENには「PEN E-P○」と必ず番号がついていたが、そのままずばりPEN-Fというのは初めて。それだけオリンパスもこのPEN-Fに並々ならぬこだわりを込めているということでしょう。

人気の秘密は、そのデザイン性と、一眼トップクラスの基本機能、そして充実した発展性でしょう。

デザインは優しくモダンで、ボディーラインとシルエットをフィルムカメラ”ペンF”から継承した、レンジファインダースタイルの上質なデザイン。アルミ削り出しのダイヤル、マグネシウム製のトップカバー。そして、計算され尽くされたダイヤルレイアウト。すべてにおいて妥協は見られません。

内部機構としては、新開発の20M Live MOSセンサーや強力なボディー内5軸手ぶれ補正機構などの最新テクノロジーを惜しみなく搭載。見やすく、ピントを合わせやすい高精細の有機ELビューファインダーを内蔵。じっくりとピント合わせができる「拡大表示」機能や、「フォーカスピーキング」など電子ビューファインダーにしか実現できない機能など、こちらも写真撮影を今まで以上に楽しめる充実の機能と性能を兼ね備えています。

また、フィルム選び・撮影・現像・焼付けといった、思い通りに作品を作り上げるプロセスをファインダー内で行うことができる、新開発のモノクロ/カラープロファイルコントロール機能など、新たな遊び心あふれる機能を備えているのも大きな魅力の一つでしょう。

この大人気のPEN-Fがその名を継いだ、という「オリンパスペンF」とはどんなカメラなのでしょうか?

今から50年以上前の1960年代のカメラです。お若いカメラファンの方には、現物を見たことが無い方もいらっしゃるかもしれません。

さて、そこで今回は、オリンパスのカメラ開発の歴史に触れながら、「PEN」の名を冠された歴代の名機をいくつかご紹介して行きたいと思います。

すべてはここから始まった。初代”ペン”

初代

オリンパスペン初代機は、戦後間もない1959年に登場しました。
最初の「ペン」が世に出た経緯は、後年、オリンパスの取締役まで務めることになる技術者、米谷美久が、上司から「6000円で売れるカメラの開発」という課題を与えられたことに始まりました。(1ドル360円で、6000円は大体4~5万円ほどの時代です。)

6000円という価格は当時の日本製カメラとしては相当な低価格設定で、それまでであれば大衆向け製品と割り切ってグレードの低いレンズに質素なメカニズムを搭載した、いわば仕上がりにそれなりの妥協をしなければならない価格帯でした。

しかし、米谷氏は、「大衆向けカメラであっても安易な妥協設計を採るべきでない」と考え、「ライカのサブカメラとして使える小型カメラ」という大変野心的コンセプトを打ち出したのです。

ライカ(当時はエルンスト・ライツ社)といえば、第二次世界大戦中から高性能な35mm版「ライカ」を販売、1954年にはレンジファインダーの一種の完成形ともいえる「M3」を発売して、世界に衝撃を与えていたメーカーです。

このライカにいわば挑戦する形で、初代オリンパス・ペンは生み出されたのでした。
そして、米谷氏を初めとするオリンパスの技術者のたゆまぬ努力の末、高性能とコストダウンを見事に両立させた初代ペンはDズイコーレンズの優れた描写力と携行性の良さを兼ね備え、プロカメラマンのサブカメラとして重用されるだけに止まらず、ハーフサイズカメラの代名詞となりました。

発売の1年後の1960年にはペンの高級型であるペンS、3年後の1962年からは、Fズイコー3.2cm f/1.9の高性能大口径レンズ、最高速1/500秒のシャッター、セレン光電池式LV値直読内蔵露出計を装備したペンシリーズの最上位シリーズと位置づけられたプロフェッショナル仕様のペンD」シリーズ(ペンD、ペンD2、ペンD3、ペンEED)、その5年後の1965年にはDズイコ-2.8cm f/3.5を搭載したペンS3.5など、次々とシリーズ機が発売され、どの機種も初代ペンと同じく、高い評価を得ました。

ペンシリーズの全盛期を支えた、ペンEEシリーズ

pen EE

使いやすさに徹したオリンパスペンEEは、1961年に発売されました。
「固定焦点」「シャッタースピード1/60秒」「露出は絞りの自動調整」と、機能を合理的に割り切ったオリンパスペンEEは、固定焦点など機能を限定し「ボタンを押すだけで、誰でも簡単に美しい写真が撮れる」をコンセプトにした初心者~一般ユーザー向けカメラでした。

価格は当時の価格で10,000円。このEEシリーズは、8機種を展開し、ペンカメラがそれまで以上に広く普及する原動力となりました。

また、先にご紹介した最上位モデル、ペンDの発売と同じ1962年には、世界初プログラムEEシャッター搭載カメラオリンパスペンEESが発売されました。ペンEESのシャッター速度は1/30秒と1/250秒。明るさに応じてシャッター速度が自動的に切り替わり、適正露出の範囲が拡がりました。焦点調節は3点ゾーンフォーカス。このオリンパスペンEES以降、プログラムEE方式カメラの全盛時代を迎えます。

これらに加え、ホットシューが追加されカウンター自動復元、裏ぶたは取り外し式をやめ、より実用的な蝶番式となったペンEE-2、ボディの樹脂部分および張革がペンEE-2までの灰色から黒色に変更され、フラッシュマチック機構が追加されたペンEE-3、ペンEE-3のスペックにガイドナンバー10の外光式オートフラッシュを一体化したモデルペンEFなど多くのモデルが発売され、中でも初代EEからEE-3までのシリーズはマイナーチェンジを受けながら基本デザインを変えずに長期生産され、ペンの各シリーズの中でも合わせて25年に渡って生産される最多・最長生産のロングセラーとなりました。

ハーフサイズ一眼レフ機の金字塔、ペンF

penf film

さて、いよいよ今回のもう一人の主役の登場です。ペンFは、1963年発売の世界初・世界唯一となる、ハーフサイズ・システム一眼レフ機です。

これまでにご紹介したペンの成功を受けて、オリンパス社内ではかつて例のないハーフ判の一眼レフができないかという期待が高まっていました。

その少し前から同じ構想を練っていたペン・シリーズの設計者、前述の米谷氏は、ハーフ判の画面が縦長になることからフランジバックを短くできるように、通常は上にはねあげるミラーを横に開閉する形式の設計を考え、それに合わせてペンタプリズムを使わずポロプリズムで画像を導くファインダーを導入する着想を得たことから、このペンFの開発はスタートしました。

その結果、初めてシャッター幕にチタンを用いたロータリーシャッター、ポロプリズムファインダー、そして20本におよぶバラエティ豊かな交換レンズなど、独創的な機能と、機能的な必然性に裏打ちされたユニークなデザインを満載した革新的な一台、ペンFが誕生しました。

最も特徴的なロータリーシャッターは、ハーフ判の画面が縦長になることからフランジバックを短くできるように、通常は上にはねあげるミラーを横に開閉する形式にするため導入されました。

また、それに合わせてペンタプリズムを使わずポロプリズムで画像を導くファインダーが採用されました。高速化と耐久性を両立させたこのロータリーシャッターは、技術者たちの多大な努力と苦心で完成したといわれています。

外観をほとんど変えることなく進化したペンFT

FT

名機ペンFの発売から3年後の1966年に発売されたのが、ペンFTです。ペンFの外観を変えることなくTTL露出計を内蔵したモデルで、カメラを被写体に向けると、セットされているシャッタースピードに応じて適切な絞り番号がファインダーに指示されるTTLナンバー方式の露出制御システムを採用したり、一回巻き上げへの変更や、セルフタイマーが内蔵されたりなど、さまざまな改良が行われました。こちらも現在でも非常に人気の高いモデルになっています。

また、このペンFTからTTL露出計を省略したモデルであるペンFVという機種もあり、FVをベースにフォーカシングスクリーンを透過式とし、セルフタイマーを省略した胃カメラ・顕微鏡撮影用のメディカルユース用のモデルも存在します。

多彩な派生機

wide

いかがでしたでしょうか?フィルム版オリンパスペンシリーズにはこれまでに紹介させて頂いた機種のほかにも、様々なモデルが存在します。

C焦点距離25mm(ライカ判換算35mm)の広角レンズを使用したペンW(ワイド)、dS露出計によりAE制御され30〜1/500秒まで連続可変可能な電子シャッター、発売当時斬新だった電気モーター式モータードライブを内蔵し自動巻上、自動巻戻を可能にしたペンEM、ラピッドフィルムを使用する日本国内未発売のペンラピッドEES、ペンラピッドEED(試作機)など、実に様々なモデルが派生機として世に送り出されてきたことからも、「ペン」の人気と、ユーザーの要望に応えるオリンパスの技術者たちの心意気がよく分かりますね。

50年の時を経て、デジタル化したPEN

ep1

大衆向けの高機能カメラの金字塔、初代ペンの誕生から50年後の2009年。新しい方向性の小型デジタル一眼システムを目標に、フィルムカメラ時代の旧ペンシリーズ同様のコンセプトで開発され、同じくペンの名称が与えられた、「ペン」のデジタルカメラのラインがスタートしました。

その第一弾として発売されたのが、ペン E-P1です。

このシリーズの機種は、レンズ交換式のミラーレス一眼カメラで、マイクロフォーサーズシステム規格を採用し、交換レンズ群としてM.ズイコーデジタルレンズシリーズを展開しています。

オリンパスがこのタイプのカメラをマイクロ一眼カメラと呼んでいる通り、一眼レフ機の性能、写り、操作性を損なうことなく、コンパクト化、軽量化が図られた人気のシリーズです。

先にも書いたとおりこのペンシリーズは「E-P○」という風に必ず番号が付いており、外観デザインもかつてのペンシリーズから一新した、全く新しいペンシリーズとなっています。

この新・ペンシリーズにはE-P1、E-P2、E-P3、E-P5の4モデルが存在しています。

また、この新・ペンシリーズの派生シリーズとして、ユーザーインターフェイスがカメラ初心者向けに簡略化され、機能を一部省略する代わりに、ボディの小型化と低価格化を実現したミラーレス機、ペンライトシリーズも2010年から発売されています。

このシリーズは、一眼レフの使用を躊躇していたコンデジユーザーをターゲットとして、新規顧客を獲得し、現在までにE-PL1、E-PL1s、E-PL2、E-PL3、E-PL5、E-PL6、E-PL7の7モデルを発売する人気シリーズとして、一定の支持を集めています。

そして、このペンライトの機能を更に簡略化させ、より初心者向けのユーザーインターフェイスを搭載したモデルであるペンミニE-PM1、E-PM2の2機種も存在します。これらのペンミニシリーズは、ボタン数や機能の削減により、ボディの更なる小型化や低価格化が図られた意欲的なミラーレス一眼機です。

かつてフィルム一眼レフのペンシリーズが発売されてから、様々なユーザーの要望や技術者たちの飽くなき追求心に支えられて、進歩、派生してきた「ペン」シリーズ。

実に30を超えるモデルと、今も衰えないその人気からは米谷氏が初代「ペン」を開発した時代から揺るがないオリンパスの技術者たちの情熱が見て取れますね。

さいごに

比較
いかがでしたでしょうか?
現在、一眼レフ市場はご存知の通り、キヤノンとニコンの2強時代になっていますが、上のグラフからも見て取れる通り、ミラーレス一眼ではオリンパスがそのシェアの約30パーセントを占めトップになっています。

オリンパスカメラの「フォーサーズ」規格の画像センサーを用いた小柄なボディなカメラ、色あせないデザイン性、50年以上に渡り受け継がれてきたクラフトマンシップが、ユーザーの支持を受け続けていることの一つの証明ではないでしょうか。

今後も「ペン」とオリンパスにはしばらく目が離せそうにありません!

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