知っているようで知らない!? レンズに書かれたアルファべット【Canon編】  

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知っているようで知らない!? レンズに書かれたアルファべット【Canon編】

2016/5/6

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キヤノンユーザーの皆様、お待たせいたしました!
前回のニコン編に続き、今回は日本が誇るメーカーの双璧のもう一方、キヤノンのレンズに表記されているアルファベットについてお話をさせていただきます。

前回記事はこちらから↓
知っているようで知らない!? レンズに書かれたアルファべット【Nikon編】 | 中古カメラ・レンズ高値買取 ファイブスターカメラ

今回はキヤノンのレンズに書かれたアルファベットについてそれぞれ、前回と同様に一つ一つ詳しく見ていきましょう。

キヤノンの一眼レフ、EOSシステム

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キヤノンのレンズのお話をする前に、まずはキヤノンの一眼レフ=EOSシステムについて少し説明をさせて下さい。

ミノルタが世界初のオートフォーカス一眼レフカメラシステム「αシステム」とともに代表機種「α7000」を発表、一眼レフカメラ業界に大きな衝撃を与えた1985年。

キヤノンは「キヤノンT80」という FD マウントの専用レンズ3本によるオートフォーカス一眼レフカメラを販売しました。しかし実験的要素の強い挑戦的なカメラだったこと、またすでにα7000が発売された直後だったことからT80は不振に終わりました。

その後、1987年に発売されたのが、当時キヤノンの持てる技術の粋を集め、また現在に至るまで連綿と続く大ヒットカメラになった「EOS」シリーズの第一作目EOS650とEOS650QDでした。

2年前の大敗を振り払うかのように作られたそのカメラは他社のAF一眼レフとは全く異なる開発方針を採りました。
その方針の大黒柱が、従来までのFDマウントを捨て、新開発の大口径完全電子マウントを採用したことです。

それはいわゆる連動爪のような機械的連動機構は完全に廃止され、AF駆動・AE制御はレンズに内蔵したコンピュータとモーターで行い、レンズ・ボディ間の信号授受は電気信号のみによるという全く新しいものでした。

センセーショナルともいえるこの新システムの登場で、キヤノンのAF一眼レフは一躍、カメラ業界の寵児となりました。

そしてこのEOSシステムの根幹を支える大口径完全電子マウントこそが、キヤノンEFマウントと呼ばれるマウントです。

EOSシステムの根幹を支えるEFマウント

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ここまで読んで下さった方々はもうお気づきでしょう。
キヤノンレンズの頭に必ず関される「EF」の二文字は、このEF=Electro-Focus、であること、すなわちEOSに搭載できることを表しているのです。

ちなみに「EOS」とはこのシリーズの開発コードであるElectro-Optical-Systemのそれぞれの単語の頭文字をとって付けられた名前です。

同時にその名は古典ギリシア語で「暁」を意味するギリシャ神話の女神エーオースの名前でもあります。なんだか少しロマンチックですよね。

さて、キヤノンの一眼レフユーザーの方は必ずと言っていいほど目にしているであろうこのEFレンズですが、「EF」の二文字のほかに、「EF-S」や「EF-M」という表記もご覧になったことがあると思います。

ここからはこれらの、「EF」+アルファベット表記の意味についてもうすこし詳しく見ていきましょう。

より小型に進化した「EF-S」レンズ

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EF-S=Electro Focus-Small imagecircleの略で、35mmフルサイズのイメージセンサーに対応するEFレンズとは別に、これよりも小型のAPS-Cサイズのイメージセンサーに最適化するように開発された「Electro Focus-Small imagecircleテクノロジー」を搭載したレンズです。

「EF-Sレンズテクノロジー」とは、EFレンズよりもバックフォーカスを短縮した「ショートバックフォーカス」を採用することによって、イメージサークルの大きさをAPS-Cサイズセンサー専用とし、広角ズーム化とコンパクト化を両立させた技術です。

しかし、このショートバックフォーカスを採用すると、レンズの後端がカメラボディ内に入り込むため、ミラーが従来のサイズのままでは干渉してしまいます。

この干渉を回避するため、APS-Cサイズ用の小型クイックリターンミラーの搭載、レリーズ時のミラーアップに合わせてミラーを後方に退避させる「ミラースイングアップ機構」、ボディ側マウント内部の接点を3mm低くした「EF-Sレンズ対応マウント構造」が採用されるなど、EFレンズマウントとの相違点が多く見られます。

このEF-Sレンズ開発の背景には、EOS 7D Mark IIなどに代表される、APS-Cサイズのイメージセンサーを搭載した従来のフルサイズ一眼レフ機よりもコンパクトなカメラの需要の増加が大きく関係しています。

なおこのEF-Sレンズは「EF-Sレンズテクノロジー」を搭載しているため、EF-Sレンズ対応カメラにのみ装着可能です。
ただし、EF-Sレンズ装着可能カメラについては、EFレンズおよびEFレンズマウント互換レンズの装着もできますのでご安心を。

35mmフルサイズ用の大きなクイックリターンミラーを搭載したカメラボディや「ミラースイングアップ機構」を持たないEOS 10D以前のAPS-Cサイズ機に誤装着してしまった場合は、レンズやミラーを破損させないよう、レンズ・ボディ双方のマウント指標を専用の白色・四角にし、レンズ後方部にはラバーによるストッパーを設けることで、物理的に装着できないようになっています。

鏡筒のシルバーのラインでも見分けをつけることができるので、一度この違いを覚えてしまえば、一般の標準レンズと区別することは難しくありません。

ミラーレスEOS専用「EF-M」レンズ

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EF-Mの“M”はEOS Mの“M”で、このレンズはミラーレスEOS専用レンズとして、EF-Mマウントとともに新しく開発されました。

EFレンズで培われた光学技術はそのままに、カメラのミラーレス化により、バックフォーカスが大幅に短縮され、高画質と小型・軽量化を両立させています。

さらに、金属に綾目状に付けられた凸凹の滑り止め加工=綾目ローレット形状フォーカスリングやズームリングなど、コンパクトでありながら、高品質のEFレンズの風格をそいのまま宿しています。

ちなみにこちらのEF-Mレンズも「マウントアダプター EF-EOS M」を使用することで「キヤノンEF-Mマウント」を採用したカメラに、「EFレンズ」(「EF-Mレンズ」と「CN-Eレンズ」を除く)の装着が可能になります。

焦点距離と開放F値

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次に表記されるのが、レンズの焦点距離と開放F値です。焦点距離は一般的に28mmや50mm、100mmなどといった数値で表されます。ズームレンズの場合は、18-55mmというように焦点距離の両端の数字で表します。

焦点距離の短いレンズほど撮影画角(撮像素子に写る範囲)が広くなり、写真に写る範囲が広がります。逆に、焦点距離の長いレンズほど撮影画角が狭くなり、被写体が大きくなります。

また、レンズの絞りをもっとも開いた状態のことを「開放絞り」といい、そのときの絞り値(F値)を開放絞り値(開放F値)といいますが、焦点距離の次に表記されているのが、この「開放F値」というわけです。

なお、F値が2つ書かれている上の画像のようなレンズは、広角側と望遠側のそれぞれのF値をあらわしています。

ちなみにF値は、レンズを通って撮像素子上に写る像の明るさを表し、開放F値が小さいレンズは、開放F値が大きいレンズよりも撮像素子上に写る像を明るくできます。

開放F値の小さいレンズを「明るい」レンズというのは、ここに由来します。

ちなみに現行のオートフォーカス用レンズで世界で最も「明るい」といわれているレンズが、今から約27年前の1989年に発売されたCanon EF 50mm f/1.0 L USMです。
9群11枚のレンズ構成で、2枚の研削非球面レンズ、4枚の高屈折率ガラスレンズを使用した贅沢設計の超大口径高級レンズとして、今でも根強い人気があります。

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Canon EF 50mm F1.0 L USM(キヤノン) | 中古カメラ・レンズ高値買取 ファイブスターカメラ

高級レンズの証「L」

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次に、焦点距離と開放F値の後に表記されるアルファベットについて見ていきましょう。
まずはキヤノンユーザーの憧れのレンズである、「Lレンズ」。この高級レンズの証が、開放F値の後に表記される「L」の一文字です。

L=Luxuryの頭文字をとったもので、Luxuryな(贅沢な)「プロの品質と呼ぶに相応しい、画期的な描写性能と優れた操作性、耐環境性・堅牢性を備えたキヤノンEFレンズLシリーズ」と謳われています。

光学系には人工結晶の蛍石、研削非球面レンズ、UDレンズなどの特殊光学材料が採用されていて、主要部分にマグネシウム合金を採用するなど、材質の面から見ても確かに贅沢なレンズシリーズと言って差し支えないでしょう。

また、高速なオートフォーカス駆動、フルタイムマニュアルフォーカスや手ぶれ補正機構、防塵防滴構造なども採用されているものが多く、価格も高めに設定されています。

外観、デザインも差別化が図られていて、Lシリーズの鏡筒にはレッドのライン(鉢巻き)が刻まれています。また白レンズとも呼ばれているように望遠域のレンズでは鏡胴がオフホワイトになっており、一目見ただけでそれと分かるビジュアルになっています。

ちなみにこの白レンズの色には、単なる外観上の差別化という目的だけではなく、夏の炎天下でレンズを使用し急激な温度上昇に曝されることのあるプロの使用を考慮し、熱を吸収しにくい色にする、という使用上のねらいもあります。

もちろん描写力、表現力は他のメーカーのレンズと比較しても群を抜いたすばらしいもので、その名と価格にふさわしい、トップレベルのレンズとして世界中のプロフェッショナルや写真愛好家に愛されているレンズシリーズです。

孤高の高性能レンズ、「DO」

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品揃えの豊富なキヤノンのレンズですが、その中にシリーズ中3本のモデルのみのレンズがあります。それが次にご紹介するDOレンズです。

DO=Diffractive Opticsの略で、「回折光学素子」と呼ばれているレンズです。

光は波長によって屈折率が異なり、焦点を結ぶ位置が各波長によってズレてしまうことがあります。光は赤の波長ほど曲がりにくく、青の波長ほど曲がりやすいので、単純な凸レンズ(屈折光学素子)では青、緑、赤の順に結像し、これが色収差=色にじみの原因になっています。

回折光学素子は、この色収差をなくす為に作られたといえます。
というのも、回折光学素子は、ちょうど凸レンズと逆の色収差が発生し、赤、緑、青の順で結像する特性を持っています。

そこで、凸レンズと回折光学素子を組み合わせることで色収差を打ち消そう、というのが、このDOレンズというわけなのです。
また、同じ焦点距離、同じF値のレンズではDOレンズを採用しなかった場合と比較してレンズを小さく、軽くすることができることもこのレンズの大きな強みでしょう。

つまりDOレンズは、望遠レンズもコンパクトに設計でき、しかも色収差も低減できる、というスグレモノレンズというわけです。

しかし、良いことばかりではないのが世の常。
DOレンズはその生産コストが高くなる傾向にあり、必然的に販売価格も高騰する傾向にあります。こうした理由もあって、採用したレンズはEF400mm f/4 DO IS USM、EF400mm f/4 DO IS II USM、そしてEF70-300mm f/4.5-5.6 DO IS USMの3本に限られているのです。

外観上の特徴としては鏡筒に緑色のライン(鉢巻き)が刻まれているため、こちらもLレンズと同じく一目見ただけでDOレンズと判別できます。

高速かつ静粛なキヤノンの超音波モーター

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次に見ていくのは、レンズの最後に表記されるこの三文字。
USM=Ultra Sonic Motorは超音波モーター搭載であること、STM=Stepping Motorはステッピングモーター搭載であることを示します。

キヤノンはカメラ用超音波モーターを初めて商品化したメーカーです。
初めてUSMを採用したレンズは1987年に発売されたEF 300mm f/2.8L USMで、このUSMを搭載したレンズは高速かつ静かに作動し、消費電力も少なくて済む画期的な開発でした。

現在キヤノンが採用しているUSMにはリングタイプUSMマイクロUSMの2種類があります。

リングUSMではレンズをオートフォーカスモードからマニュアルフォーカスモードに切り替えることなくマニュアルでのピント調節ができる「フルタイムマニュアルフォーカス」が使用できます。性能と効率の面から、リングタイプUSMが大きな支持を得ています。

対して、それに対しマイクロUSMは安価でコンパクトなレンズに利用されている、という違いがあります。2002年には、マイクロUSMをさらに小型化・軽量化したマイクロUSM IIがEF28-105mm F4-5.6 USMに搭載される形で発表されました。

USMを採用するレンズには、その証として鏡胴に金色または銀色の帯がペイントされているほか、付属のレンズキャップにも「ULTRASONIC」の文字が入るので、こちらの判別も比較的容易にできますね。

STMはUSMよりも後、2012年にEOS Kiss X6iと同時に登場したモーターで、これを採用しているレンズはLレンズではなく、廉価なキットレンズがメインです。

USMと違い「パルス動力」というものが使われており、実際のAF速度としてはUSM程の超スピードは出せませんが、そこそこの速さは出ます。

また、モーターユニットも小型化が可能なので、レンズが大きくならずに済むというメリットもありますね。

キヤノンの手ブレ補正機能「IS」

IS

さあ、いよいよキヤノンレンズ表面に書かれたアルファベットも最後の二文字になりました。

IS=Image Stabilizerはキヤノンが開発した手ブレ補正機構です。
ISはジャイロセンサを用いて振動を検知し、レンズの一部を動かして振動を軽減するという仕組みになっています。

通常手ぶれのない写真を撮るためには目安として「1/焦点距離」秒以上のシャッター速度が必要とされている(焦点距離が50mmのレンズでは1/50秒以上必要ということになりますね)。ISを備えたレンズではシャッター速度に換算して2から5段分の補正効果があります。

ISの補正にはいくつかのモードがあり、それらはレンズによって異なります。

モード1は、すべての状況において補正が有効になるモードで、すべてのISレンズに搭載されています。

モード2は、1997年に発売されたEF 300mm f/4L IS USMから搭載されているモードで、パン操作をするときカメラが大きく動くとその方向の手ぶれ補正を自動的に無効にするという機能を備えています。

モード3は、2011年に発売されたEF 300mm f/2.8L IS II USM、EF 400mm f/2.8L IS II USM、2014年12月に発売されたEF 100-400 f/4.5-5.6 L IS II USMにそれぞれ搭載されているモードで、シャッターが半押し状態では手ぶれ補正を行わないものになっています。

また、2007年に発売されたEF-S 18-55mm f/3.5-5.6 ISとEF-S 55-250mm f/4-5.6 ISに搭載されたISは、ばねとコイルを用いた簡素な構造にすることにより、小型・軽量・低コスト化を実現しました。

さいごに

きやのんれんず

キヤノンレンズに表記されているアルファベットにも、知っているようで知らない、たくさんの情報が詰め込まれていましたね!

またその情報一つ一つにも、それぞれから性能の違いや特長が見て取れるだけでなく、開発における工夫や歴史など、隠れたドラマなども見え隠れするようで、とても面白いですよね。

上の画像は、これまでに説明してきたそれぞれの項を、EF 24-105mm f/4 L IS USMレンズを例にまとめたものです。

レンズ選びの際や、今持っている交換レンズを見るときにぜひご一緒に見てみてください。
もしかしたら、新たな発見があるかもしれませんよ。

さて、前回と今回、二回に分けてお話させていただいたキヤノンとニコン、それぞれの一眼レフで写真を撮るために欠かせない交換レンズの広くて深い世界。
お楽しみいただけたでしょうか?

カメラのことももちろんですが、レンズも知れば知るほど、その魅力の虜になっていってしまいそうですね。今回のお話が皆さんのよりよいカメラ・レンズライフの一助になれば幸いです。

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