知っているようで知らない!? レンズに書かれたアルファべット【Nikon編】  

contact
tel btn
Menu

知っているようで知らない!? レンズに書かれたアルファべット【Nikon編】

2016/4/30

コラム2

カメラを本格的に始めるとなると、まず思い浮かぶのが一眼レフ機ですよね。

撮像素子の大きさや、コンデジにはない数々の性能ももちろんですが、一眼レフの最大の魅力といえば、やはり交換レンズ。

遠くのものをより大きく写したいなら望遠、超望遠レンズ、逆に風景を広く写したい場合は広角、超広角レンズ、花や昆虫など、小さいものを大きく写したいならマクロレンズ、写りやボケを重視してズームしない単焦点レンズなどなど、撮りたい写真やユーザーの目的にあわせて様々なレンズを交換できることが、一眼レフの醍醐味ですよね。

特にキヤノンやニコンはレンズのラインナップも豊富で、どれを購入すればいいか迷ってしまうほど多くの製品が発売されています。

そして、レンズが欲しくて欲しくてたまらなくなってきて、いわゆる「レンズ沼」にはまってしまう人も、カメラユーザーの中には少なくないのではないでしょうか。

さて、今回はそんな多くのカメラユーザーを惹きつけて止まない交換レンズの「名前」に注目してみたいと思います。

初心者には暗号!?レンズに書かれたアルファベットの意味

今回取り上げるのは、日本が誇るメーカーの双璧のうちの一つ、ニコンのレンズ。
まずはその中でも最も数多くのレンズを揃えるニコンFマウントレンズのうち、オートフォーカスレンズについて詳しくみていきましょう。

交換レンズを使っている方にはおなじみだと思いますが、レンズにはそれぞれ名前がついています。これはニコンに限らず、他社のレンズでも同じですね。

ただしこのレンズに書かれた型番のようなアルファベットの羅列。まったくの初心者には何が書いてあるか分からない暗号のように写るのではないのでしょうか?

また、ある程度カメラ、レンズの知識がついてきた方でも、それぞれのアルファベットがどのような意味を示しているのか、細かに把握している方は少ないように思われます。

オートフォーカスレンズであることを示す「AF」

コラム3
近年のレンズには必ず搭載されているオートフォーカス機能。

AFと省略されるこの機能は、カメラの焦点をセンサー・制御系・モーターなどを利用して自動的に合わせるシステムのことで、また、携帯電話やスマートフォンのカメラにも搭載されているカメラもそのほとんどがこのAF機能を搭載しています。

左側のレンズの名前のメーカー名の次に記載されている「AF」はこのAF機能搭載レンズであることを示しています。A=AutoF=Focusの頭文字ですね。

ちなみにこのAF機能を備えたレンズは、1971年4月にシカゴで開催されたフォトエキスポに試作機として登場した9群5枚のAF NIKKOR 80mm f/4.5が最も古いものになります。

自動絞り制御装置搭載のレンズとして鳴り物入りで発表されましたが、センサーの反応速度や測距精度、重量など実用レベルと言える仕上がりにはならなかったため、市販には至りませんでした。

ニコンのAF搭載の市販レンズ第一号機はそれから12年を経た1983年4月に発売された、Ai AF NIKKOR 80mm f/1.8になります。

ただしこのレンズは、マニュアルフォーカスのカメラボディと組み合わせて、一般的なレンズとして使用できますが、オートフォーカスレンズとして使用できるのは、ニコンF3AF、ニコンF-501、ニコンF4、ニコンF4S、ニコンF4Eに装着したときだけでした。

開放F値自動補正方式

さて、ここでまた一つ気になるアルファベットが出てきてしまいましたね。
AFの前についている「Ai」。これはどういう意味なのでしょうか?

その前に少しだけ、ニコンFマウントの変遷について説明しておく必要があります。
ニコンFマウントは1959年の発売以来、50年以上続く長い歴史をもっています。このFマウントには大きく分けて、以下の変遷があります。



 旧非Aiタイプレンズ  Fマウント初期のレンズ群です。
 Aiタイプ  カニ爪による「ニコンのガチャガチャ」を行わなくて済むように、絞り環の一部をオミット。開放F値の情報を伝える方式に変更されました。
 Ai-Sタイプ  絞り込みレバーの移動量と実際の絞り込み量が比例するように改良されたレンズ
 AiAF-Sタイプ  Ai-SレンズをAF化したレンズ
 AiAF Dタイプ  上記レンズに距離エンコーダを内蔵したタイプ
 AiAF-S Dタイプ  上記レンズにSWM(超音波モーター)を内蔵したタイプ
 AF Gタイプ  Dタイプから絞り環を無くして、非Ai方式になったレンズ
 AF-S Gタイプ  上記レンズにSWMを内蔵したタイプ




この中のAiタイプレンズであることを表すのが、レンズに書かれたアルファベット「Ai」になります。
Ai=Automatic Maximum Aperture Indexingの略で、開放F値自動補正方式という意味になります。

開放F値自動補正方式とはカメラに露出計連動レバー、レンズの絞りリングに露出計連動ガイドを設け、このガイドとレバーが連動することにより正しい露出を設定してくれる機能で、これによって、レンズを交換する際の手間は解消されました。

旧来のカニ爪によるいわゆる「ニコンのガチャガチャ」操作を行なわなくて済むようになったという意味でもニコンレンズにとっての大きな進歩といえる方式ですね。

なお、現行のAFレンズには全てのレンズにこのAi機能が備えられているため、また、マニュアルフォーカスレンズの多くに「Ai」の名称が用いられており混同を防ぐため、現在販売されている「Ai」の2文字はレンズ本体にはほとんど記載されていません。

超音波モーターの有無を表す「S」

AFの後に「-S」と付いているのは何だろう?
そう思った読者の方も多いのではないでしょうか?

S=Silent Wave Motorの頭文字、「S」を取ったもので、ニコンが独自に開発した、AF駆動用の超音波モーターのことを表します。
また、Silent Wave Motorの頭文字それぞれを取って、SWMと表記される場合もあります。

この超音波モーターにはリングタイプSWMと、小型SWMがあり、レンズのデザインや仕様などに応じてどちらかが採用されています。どちらも静粛性に優れ、かつよりスムーズなAFが可能になるすばらしい機能です。

被写体が撮影者の予測できない動きをする、スポーツや野生動物の撮影時に活躍してくれる機能です。

ニコンマウントレンズの証「NIKKOR」

nikkor 初代
AF、AF-S等の次に表記されているのが、「NIKKOR」です。

ニコンはもともと、東京計器製作所、岩城硝子製造所、藤井レンズ製造所という三つの会社が合同で、三菱の資本に受けて設立した「日本光学工業株式会社」がその始まりで、1931年に写真レンズの商標をNIKKORとしたことに端を発しています。

また、1960年に発売されたニコン初のFマウントレンズであるNikkor-S Auto 5.8cm F1.4から交換レンズにおいてもこの商標は変わらず、ニコンマウントレンズに冠される、いわばレンズのブランド名と捉えていただければと思います。

ちなみに、NIKKOR(ニッコール)の名称は、ニコンの旧社名である「日本光学」の略称であるニッコー(NIKKO)に由来しているといわれています。現在の社名のNikon(ニコン)も、NIKKOをもとに語尾に「N」をつけ、互換を良くし、かつ男性的な響きをイメージして名づけられたことからも納得できるネーミングですね。

DXフォーマット専用、DXシリーズ

DX
もう一つ、NIKKORの前に付けられる場合がある二文字が「DX」。これはDXフォーマット専用レンズであることを示します。
この「DX」が付いているニコンレンズはCPU内蔵で、イメージサークルをAPS-Cサイズに限定することで小型化を果たしており、入射光路を撮像素子に適したものにしたほか、撮像素子の反射などを考慮したデジタルに最適化した設計となっている、最も新しい種類のレンズになります。

この「DX」が名前に含まれるDXレンズ、一昔前までは「デジタル専用レンズ」と呼ばれていましたが、FXレンズとの区別のため、「DXフォーマット用レンズ」と呼ばれるようになりました。

ちなみにこのDXレンズをFXフォーマットに取り付けた際には、ほぼ間違いなくケラレが発生してしまうので、お使いにならないで、フルサイズカメラにはDX表記のないレンズを使いましょう。

焦点距離と開放F値

コラムF値
「NIKKOR」の次に表記されるのが、レンズの焦点距離と開放F値です。焦点距離は一般的に28mmや50mm、100mmなどといった数値で表されます。ズームレンズの場合は、18-55mmというように焦点距離の両端の数字で表します。

焦点距離の短いレンズほど撮影画角(撮像素子に写る範囲)が広くなり、写真に写る範囲が広がります。逆に、焦点距離の長いレンズほど撮影画角が狭くなり、被写体が大きくなります。

また、レンズの絞りをもっとも開いた状態のことを「開放絞り」といい、そのときの絞り値(F値)を開放絞り値(開放F値)といいますが、焦点距離の次に表記されているのが、この「開放F値」というわけです。

なお、F値が2つ書かれている上の画像のようなレンズは、広角側と望遠側のそれぞれのF値をあらわしています。

ちなみにF値は、レンズを通って撮像素子上に写る像の明るさを表し、開放F値が小さいレンズは、開放F値が大きいレンズよりも撮像素子上に写る像を明るくできます。

開放F値の小さいレンズを「明るい」レンズというのは、ここに由来します。

撮像素子上に写る像が明るくなると、その分シャッタースピードを速くしても適正露出にすることができるため、開放F値が大きいレンズではブレしてしまうようなシーンでも、開放絞り値が小さいレンズではブレずに撮影することができる場合があります。

また、F値が小さいほど、被写界深度が浅くなり、背景などのボケを大きくできますので、開放F値の小さいレンズほど大きなボケを作り出すことができます。

レンズ選びの際はそのレンズでどんな被写体を撮りたいのかが決めて、この焦点距離と開放F値をしっかりチェックしてから購入したいですね。

絞りリングの有無を表すアルファベット

絞りリング
さて、次に気になるアルファベットがこの部分ではないでしょうか?
開放F値の後ろに表記されているこのアルファベット一文字。ニコンのレンズには、主に「Dタイプ」「Gタイプ」、そして2013年から新しく販売が始まった「Eタイプ」のレンズの三種類があります。

まずはDタイプレンズ。
D=Distanceの略で、これは距離信号を持つレンズの内、レンズ本体に絞り環を備えていることを表します。

このタイプのレンズには、レンズの距離リングに連動するエンコーダーを内蔵し、撮影時にピント合わせをした際に被写体までの距離情報がカメラボディ側へ伝達されることで、より的確な露出制御や調光制御が可能になるというメリットがあります。

次にGタイプレンズです。
あまり知られていませんが、G=Genesisの略で、「新たな創生、起源、発生」等の意味を持っています。
このタイプのレンズは、レンズ本体に絞り環を持たず、ボディ側から絞り制御を行う新しいレンズシリーズになります。

これによって、レンズ本体のコンパクト化が可能となり、さらに最小絞りにセットして撮影する必要がなくなり操作性が大幅に向上しました。また、Dタイプレンズと同様に被写体までの距離情報をカメラ側に伝達する機能も持っているため、より的確な露出制御や調光制御も可能になるというメリットがあります。

最後にEレンズです。
E=Electricの略で、このシリーズのレンズが、本体に駆動機構付き絞り羽根ユニットを搭載しており、ボディー側から電気信号により絞り制御を行うことに由来しています。

レンズマウントから絞り羽根までの距離が長くなる超望遠レンズで、特にテレコンバーター使用時において高精度な絞り制御を実現してくれますが、カメラによっては使用できない機種もあるので注意が必要です。

2013年に発売されたAF-S NIKKOR 800mm f/5.6E FL ED VRがその第一号になる、まだ出てきて間もないシリーズのレンズです。

色にじみの補正に大活躍「ED」

ED
そろそろ、レンズに書かれたアルファベットの意味がほとんど分かってきていただけたのではないでしょうか?

次に注目したいのは、一部のレンズに表記されている「ED」の二文字です。
この「ED」表記のあるレンズは俗にEDレンズと呼ばれています。

ED=Extra-low Dispersionの略で、特殊低分散ガラスを使用したレンズであるという意味を表します。

写真撮影時に光の波長の違いによる結像位置の違いや倍率の違いによって起こるやっかいな現象が、色収差です。

色収差は単独のレンズでは解決できないため、性質の異なる2枚のレンズを貼り合わせて補正します。この補正に用いるガラスに、ニコンが独自に開発した特殊低分散ガラスが使われているのがEDレンズ、ということになるわけです。

EDレンズは色にじみを良好に補正し、特に高倍率で野生動物などを観察、撮影する時などに大きな効果を発揮してくれます。

手ブレを様々な角度から繊細に補正するVRシステム

VR
いよいよこの「VR」の項で、レンズに書かれたアルファべットの意味についての説明は最後になります。

VR=「Vibration:振動 Reduction:減少」の略で、手ブレ補正を意味します。

このVRシステムは、カメラのブレに合わせて補正用のレンズを動かし、被写体からの光を正確な位置で結像させることによって、手ブレをなくす機能をもっていて、この補正用のレンズをVRレンズと言い、VRレンズを駆動するモーターなども含めてVR補正ユニットと呼ばれています。

なお、このVRに「II」がついた「VRII」という表記も中には見られます。
VRとVRIIの主だった相違点としてはVRは3段分補正、VR IIは4段分補正である点、モード切替無しで縦方向と横方向の補正を自動検知・制御してくれる点等が挙げられます。

さいごに

さいごに
いかがでしたでしょうか?
レンズに表記されているアルファベットには、知っているようで知らない、たくさんの情報が詰め込まれているんですね!

またその情報一つ一つにも、それぞれから性能の違いや特長が見て取れるだけでなく、開発における工夫や歴史など、隠れたドラマなども見え隠れするようで、とても面白いですよね。

上の画像は、これまでに説明してきたそれぞれの項を、AF-S DX NIKKOR 18-105mm f/3.5-5.6 G ED VRレンズを例にまとめたものです。

レンズ選びの際や、今持っている交換レンズを見るときにぜひご一緒に見てみてください。
もしかしたら、新たな発見があるかもしれませんよ。

さて、一眼レフで写真を撮るために欠かせない交換レンズの広くて深い世界。
今回はニコンのレンズに絞ってお話をさせていただきましたが、次にご説明させていただける機会があれば、日本が誇るレンズメーカーの双璧のもう一方、キヤノンのレンズについてもお話できればと思います。

高値買取中の商品

ファイブスターカメラではオールドレンズに力を入れていますが、その他のあらゆるカメラレンズも他店より高値で買取しています。高値買取対象商品の一部を公開中なので、よろしければご覧ください。公開していない商品もございますので、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
nikonn
Nikon(ニコン)の交換レンズの買取注力品(一例)
Nikon(ニコン)のデジタル一眼レフカメラ本体の買取注力品(一例)
Nikon(ニコン)のフィルム一眼レフカメラ・レンジファインダーカメラ本体の買取注力品(一例)

この記事が少しでもお役にたったら、Twitter、Facebook、はてブでシェアを頂けると励みになります。

フォローはこちら 役立つ情報配信がんばります。
ぜひお願いいたします。

新着情報&お役立ちコラム

TOP

フォトな場所 #01 那谷寺(石川県小松市)編

お久しぶりです。 秋もすっかり深まり朝夕はめっきり肌寒くなってきましたね。気温の変化の大きな時期ですが、風邪などひいていらっしゃらないでしょうか? 秋と…

top

高級コンデジの代名詞!RICOH GRデジタルシリーズの革新と伝統を知る!

「撮りたい」と思った写真を撮るための動作が淀みなく行えるよう配慮されたボディ形状・ボタン配置、更なる進化を遂げた銘玉GRレンズ、そして、小型化された撮影システム…

top

銘玉GRレンズ搭載!RICOHのフィルムコンパクトカメラGRシリーズの魅力に迫る!

「GR」というフィルムカメラのシリーズを知っていますか? 1984年のコンタックスTシリーズの発売に端を発した「高級コンパクトカメラ」というジャンルのカメ…

top

圧倒的な色表現が最大の魅力!富士フイルムXシリーズ徹底紹介!!

「お正月を写そう♪」や「写ルンです」で有名な日本の代表的なフィルムメーカー、富士フイルム。 CMの影響からか、フィルムや使い捨てカメラのイメージが強いかも…

さいごに

高級コンパクトカメラのパイオニア、コンタックスTシリーズの魅力!

コンパクトカメラで一眼レフ並みの写真が撮れる――。 スマートフォン(以下スマホ)での撮影が広く普及した昨今、一眼レフ機や交換レンズを揃えるほどではないけれ…

もっと見る