キヤノンのデジタル一眼レフカメラの歴史  

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キヤノンのデジタル一眼レフカメラの歴史

2016/2/17

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キヤノンは日本を代表するカメラメーカーとして、フィルム時代から一眼レフでは大きなシェアを誇ってきました。

フィルムカメラがオートフォーカス化する際に既存のFDマウントを捨てるという大英断もあって、オートフォーカスの一眼レフカメラで大成功をおさめています。
このときの決断の大胆さ、EOSシリーズで採用された完全電子化マウントであるEFマウントの先進性、デジタル一眼レフ立ち上げ時期に独自開発のCMOSセンサーにより画質などの面で優位に立ったことなどから、新しいものを積極的に取り入れるメーカーのイメージが出来上がっています。

ですが、最近のキヤノンのデジカメの開発を見ていると、逆に非常に保守的とも思えるぐらいに守るところはかたくなにキープする会社である部分が垣間見えます。今は逆にニコンのほうが攻める時には、攻めの姿勢がより鮮明に見えるように思います。
キヤノン、ニコンは世界の中でも唯一、本当のプロ用のデジタル一眼レフカメラを製造可能なメーカーで、お互いが切磋琢磨、競い合うようにして新機種の開発を行なってきました。そのおかげで、今のデジカメの機能、画質等々がここまでの水準に引き上げられてきた部分も大きいでしょう。

結局、日本のデジタル一眼レフの市場では、独自の個性を放つカメラを作り続けられているペンタックスとシグマ以外は、市場から撤退する形になりました。結果的にデジタル一眼レフの世界シェアでは、キヤノン、ニコンが常にトップ争いをする状況になりました。
今回は、デジタル一眼レフカメラのもう一方の雄、キヤノンのデジタル一眼レフ製品の歴史的な部分を少し掘り起こしてみましょう。

製品間の「下克上」を嫌うメーカー

キヤノンのデジタル一眼レフ製品ではここまでずっと、製品間の序列を出来るだけ守る形でラインアップが整備されています。最近は少しその部分が緩み、下位機種の方が上位機種よりも機能面で上を行く部分が現れてきていますが、基本的にはほぼ全ての機能において下位機種は上位機種を超えることがないよう、慎重にラインアップが構成されているように思えます。

たとえば、APS-Cサイズセンサー搭載のカメラでは、上位のEOS 7DがMarkIIとなって大幅にスペックアップした時にAFセンサーが一新されて初めて、EOS Kissシリーズに先代のEOS 7DのAFセンサーが搭載されるようになったこと、全画素を距離検知用の位相差画素として利用可能なデュアルピクセルCMOSはEOS Kissシリーズには採用されないことなどもその例の一つでしょう。

このようにキヤノンでは製品のラインアップごとに性能面のオーバーラップがほぼないため、機種の選択の上ではわかりやすい製品構成になっていると言えるのではないでしょうか。

エントリー機

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エントリー機というよりはEOS Kissシリーズといった方が良いかもしれません。

最初にこの名前を付ける時にはメーカー内の大英断があったのだと思いますが、今ではデジタル一眼レフのエントリー機と言えばまずはEOS Kiss、というイメージ付けに成功したように思います。

初代EOS Kissデジタルが、画質面で上位機種とほぼ同じ性能を備えつつ、当時のデジタル一眼レフカメラとしては画期的に低価格、小型軽量を実現できたことで、今の一般ユーザもデジタル一眼レフへ、の流れを作るきっかけになりました。

それ以降は、順当に「正常進化」と言える機能向上を続けることで、常にベストセラー一眼レフのトップに立ち続ける機種となっています。

フィルム時代も含めてEOS Kissとしては11代目となったEOS Kiss X2の時にフィルムのEOS Kissが販売終了となり、同時にデジタル一眼レフのほうのEOS Kissからデジタルの名前が省略されるようになりました。

最新のEOS Kiss X8iでは、APS-Cサイズセンサー採用の上位機種をも超える2400万画素センサーを搭載し、連写でも十分な速度を実現。多点AF、バリアングル液晶を備えるなど、何年か前のミドルクラス以上の性能を持つまでに至っています。

このような多機能・高画質を備えるようになったEOS Kissシリーズは、このカメラで初めてデジタル一眼レフに触れた人が本格的に写真の面白さに目覚めたあとでも、ずっとつきあっていけるだけの能力を持つカメラに仕上がっています。このカメラの直接のライバルとなるのは、ニコンではD3000番台のカメラでしょうか。

キヤノンには従来、ニコンのD5000番台とぶつかりそうなカメラがありませんでしたが、EOSにもエントリーよりも少し上、ミドルクラスの下の方と言った位置づけのカメラが登場しています。

それがEOS 8000Dで、EOS Kissシリーズにはないサブ電子ダイヤル(後ろコマンドダイヤル)と、ボディー上面の設定表示用液晶が追加されています。ファインダーや撮影機能面はEOS Kissと同等の内容ですが、操作系はより上位のEOSシリーズと同等のものを持つモデルとなっています。

ミドルレンジ

eos 30d
実はキヤノンのデジタル一眼レフカメラが本格的に立ち上がったのは、今であればミドルレンジのカメラに相当するEOS D30からでした。ハイエンドのプロ用機で基礎技術を確立して、それを下のレンジのカメラに広げる製品展開を行なったニコンとはとても対照的なスタートです。

このときキヤノンでは使用するセンサーに独自開発のCMOSセンサーを取り入れ、この決断がその後のキヤノンのデジカメの方向性を決定づけました。

当時はまだデジカメのイメージセンサーはCCD全盛期で、CMOSセンサーは画質の悪い低価格機にのみ使われる、いわゆる「安かろう悪かろう」の典型でした。そんな中、キヤノンは高感度画質(とは言っても当時はISO800とか1600程度)でもCCDを超える画質を実現した大型CMOSセンサーを開発して、以後の大型センサーの流れまで完全に変えてしまいました。今では大型のCCDセンサーが、ほとんど製造すらされていないことは皆さんご存じの通りです。

その後、画素数を倍増したD60、新映像エンジンのDIGICを搭載して20万円を切る価格を実現し大ヒットとなったEOS 10Dが生まれます。今から見返してみると、APS-Cサイズセンサー搭載機のフラッグシップモデルの価格は、今でもこのEOS 10Dの示した価格ラインの上にあります。

このあとのキヤノンのミドルレンジ機は、数字2桁+Dの型番の命名規則で現行モデルの70Dに至るまで、画素数や連写能力、各種の撮影機能を強化する形で続いてきています。

ただ、10Dから20Dの間ではキヤノンが通常のEFマウントとの互換性を維持しつつ、イメージサークルをAPS-Cサイズセンサーに特化した形のEF-Sマウントレンズを出すことで少々混乱がありました。

直後に発売されたEOS Kissデジタルには使えたEF-Sレンズが、EOS 10Dには取り付けできなかったのです。EOS 10Dが売れただけに、この点はユーザの間ではかなり大きな問題となりました。

ラインアップ的に2009年にEOS 7Dが登場するまでは、この2桁ラインのカメラがニコンのD3桁機とぶつかる形になっていました。

ハイアマチュア以上向け

eos 7d
EOS-1D以外の1桁型番シリーズは、最初は35mmフルサイズセンサー搭載のカメラのための型番というイメージでスタートしました。

しかしその後、2009年にAPS-Cサイズセンサー搭載のフラッグシップモデルEOS 7Dが登場して、EOSシリーズのハイアマチュア向け、プロのサブ機向けのカメラの型番という位置づけになっています。結果的には、ニコンのD3桁型番と同じような状況になっています。

ただキヤノンでは番号枯渇対策もあってか、このライン以上のカメラではEOS-1D系も含め型番のあとにMark??と付ける形の命名規則になっていて、製品ラインのほうもとてもわかりやすい製品名となっています。

このラインの最初のカメラEOS 5Dは、35mmフルサイズセンサー搭載機種でありながら40万円を切る価格を実現し、デジタル一眼レフの世界に35mmフルサイズ機の時代を作るきっかけとなりました。

この2005年登場のEOS 5Dからキヤノンでは他社に先駆けて、全てのカメラで発色傾向をできる限り統一するコンセプト、ピクチャースタイルを搭載しています。

以後もキヤノンの35mmフルサイズセンサー搭載機種のメインストリームはEOS 5Dの名を冠しています。現在は、超々高画素機とも言える5000万画素センサーを持つEOS 5Ds系と、中庸な画素数の2230万画素センサーを搭載したEOS 5D MarkIIIが発売されています。

ニコンがD800から始まる35mmフルサイズでの高画素機を発表してからもしばらくは、キヤノンでは35mmフルサイズの高画素機の投入がなかったため待望され続けていたEOS 5Dsですが、ほとんど誰も5000万画素の画素数は予想していなかったようです。

ただ、このセンサーの画素ピッチはEOS 70D、EOS 7D MarkIIで採用しているAPS-C 2000万画素センサーとほぼ同等のもので、実際にはそれほど荒唐無稽な画素数、画素ピッチという訳ではありませんでした。

キヤノンのこのラインのカメラは新製品の投入ペースが遅く、EOS 7DはMarkIIが出るまでに5年の間が空きました。今でもさほど機能的・画質的に見劣りしないEOS 5D MarkIIIも、発売から今年で4年になります。

プロ機

eos-1d mark iii
こちらもプロ機、というよりはEOS-1Dシリーズと書いた方が確実にわかりやすいかもしれません。キヤノンではプロ機はフィルム時代から一貫して機種名はEOS-1で通してきました。

デジカメの時代に移り変わろうとする時期にEOS-1もデジタル化が行なわれます。当時はまだフィルムカメラがむしろ主力でEOS-1Vが現役で頑張っていたこともあってか、EOS-1Dの登場はライバルニコンのプロ機D1の登場から2年も後のことになりました。

ただ、登場時、既に当時のデジカメとしては驚異的とも言える、秒8コマの連写速度を実現していたことはさすがです。このスペックが実現できなければEOS-1の名を冠することは出来ない、といった風に開発陣は考えていたのかもしれません。同等の連写速度を実現したD2Hの登場までは、さらにまた2年の間を置く形になりました。

ちなみにEOS-1Dが登場したころキヤノンは独自の映像処理プロセッサに関して、「映像エンジン」の単語を商標登録しようとしていました。恐らく一般的な単語の組み合わせということで登録には至らなかったのだと思いますが、もしこの登録が通っていたら今は別の言葉で映像処理プロセッサが呼ばれていたはずです。

それ以前は、イメージセンサーぐらいしかデジカメのパーツで関心を持たれるものがありませんでしたが、キヤノンはその流れも変えました。今では映像エンジン自体がある程度のブランド力を持つようになっているのを皆さんご存じかと思います。

デビューからEOS-1D MarkIVまでは望遠側の換算焦点距離を稼ぐのに有利と言うことで、EOS-1D系はかたくなにAPS-Hサイズ(35mm換算倍率1.3倍)のイメージセンサーサイズを守り続けました。

その代わりより高画素数の35mmフルサイズセンサー搭載機としてEOS-1Ds系のカメラを発売して、スピード系のEOS-1Dと高画質を追求したEOS-1Dsの2系統が共存する時期がしばらく続きました。

ニコンがD3で35mmフルサイズセンサーを搭載したことや、恐らく35mmフルサイズセンサーの製造原価の低下などの要因もあって、2012年に登場したEOS-1D Xでは、EOS-1D系も遂に35mmフルサイズセンサー搭載の1系統に統合されます。

このカメラでは画素数は直前のモデルの、EOS-1Ds MarkIIIとEOS-1D MrakIVの中間の1800万画素。映像エンジンの性能向上などにより高感度特性も大幅に向上し、連写速度もフィルムのEOS-1Vを超えるAE・AF連動での秒12コマ連写まで到達しました。

そしてオリンピックイヤーの2016年には、EOS-1D X MarkIIが発表されています。様々な機能の性能向上が図られていますが、最大のトピックはやはりAE・AF連動での連写速度の向上かもしれません。メインミラーが動く通常の撮影モードでもさらに連写速度を上げて、遂に毎秒14コマの連写を可能にするとのことです。

2016年のオリンピックでも、キヤノン、ニコンの新プロ機が活躍するシーンが見られそうです。

Canon(キヤノン)の買取対象品 | 中古カメラ・レンズ高値買取 ファイブスターカメラ

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