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絞りとF値のお話

2016/2/4

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もともとはカメラと絞りは切っても切り離せない存在で、絞りを使って写真の表現を変えたり、写真の写りの明るさをコントロールするために使われてきました。今でも多くのカメラでは、絞りは必須の構成要素です。

しかしスマートフォンや携帯電話のカメラなど、そもそも絞りを持たないカメラも存在するようになりました。

こういった絞りのないカメラでは絞りによる表現のコントロール手段を失っていることになりますので、逆にこういったカメラの存在が、絞りのある一般的なカメラの表現力の大きさに注目が集まるきっかけになっているのかもしれません。

この本来カメラとは切っても切り離せない絞り、その仕組みや役割、絞りとF値の関係などについて見ていきましょう。

そもそも絞りとは

シャッターはフィルムやイメージセンサーに光が当たる時間をコントロールして、写真の明るさの調整を行う機構です。これに対して絞りは、単位時間にレンズを通過する光の量を調節するための仕組みで、これによって写真の明るさを調整します。

人間の体では瞳の中の虹彩がこの役割を担当しています。暗いところでは虹彩が開いてたくさんの光を通せるようにし、明るいところでは閉じてまぶしさを抑えるように動きます。カメラの絞りも同じように働きます。

イメージセンサーでもフィルムでも、適切な明るさの写真を表現出来る光の量の範囲には限られた幅しかありません。取り込まれる光の総量が多すぎれば写真は真っ白になってしまい、逆に光の量が少なければ写真は真っ黒になります。前者は白飛び、後者は黒つぶれなどと表現します。

写真では基本的には、目的の被写体が白飛びや黒つぶれしないよう光の量をコントロールする形で撮影を行います。この目的でシャッターや絞りを使って露出の調節を行います。

ただ、白飛びや黒つぶれが完全な悪、というわけではない部分には注意が必要かもしれません。写真のコントラスト、メリハリをうまく出すためには、白飛び、黒つぶれをうまく利用してやる必要があるケースも多々あります。

絞りはレンズを通過する光の量を制限するための遮蔽板とも表現出来ます。簡単なやり方では真ん中に穴の開いた板をレンズの前にかざすだけでも絞りとして働いてくれますが、通常は実際の写真撮影により使いやすい絞りの仕組みが作り出されていて、それがカメラに採用されています。

絞りの方式

DSC_0040
絞りもカメラの歴史の中で様々な方式が使われてきました。ですが、今の静止画撮影用のカメラではほとんどのカメラが、ある一つの方式を採用しています。

虹彩絞り

その方式が「虹彩絞り」と呼ばれる形式です。

虹彩絞りでは複数の羽型の板を組み合わせて、光を通す中央部の穴の大きさを可変出来る仕組みになっています。動作しているところを外から見ると瞳の中の虹彩と同じように見えるので、この名前が付けられています。

虹彩絞りのメリットは、絞りの穴の部分の大きさを連続的に変化させることが出来ることです。これはカメラでの露出の調節にはとても都合が良くなっています。デメリットとしては、絞りを構成する羽の枚数に限りがありますので、どうしても中央の穴の形が多角形になることです。

点光源をぼかしたときの形は光が通過する穴と同じ形になります。穴の形が多角形になる絞りでは点光源はキレイに円形には広がってくれず、絞りの羽根の枚数分の多角形になります。この部分が微妙なボケ味に悪影響を及ぼす場合があります。

レンジファインダーカメラ用の手動絞りレンズでは、絞りの羽根の枚数をとても多くして穴の形が円形に近づくようにしたレンズもありますが、一眼レフ用などの自動絞りに対応するレンズでは、絞り羽を駆動する仕組みの都合上あまりたくさんの絞り羽の枚数は使えません。絞り羽の枚数は現代のレンズでは、多くても9枚程度を上限とするカメラ/レンズが多くなっています。

その他の方式

かつてフィルム時代の高級コンパクトカメラには複数の円形の穴の開いた板を回転させることで、小絞りまで完全に円形の絞りを実現したカメラもありました。代償として使える絞りの段数に制限が出来てしまいましたが、ボケ味にはとても良い効果があったはずです。

また現代の普及タイプのムービーカメラでは、三角形の切り欠きを持つ2枚の板を左右に動かすことで、光の通り道となる菱形の穴のサイズを変えて絞りの効果を出す機構も使われています。仕組みがシンプルでコストも安いものですが、ボケ味などにははっきりと悪影響が出ます。

絞りとF値の関係

F値はレンズの焦点距離を有効口径で割った値になっていて、口径比の逆数になっています。絞りは言い換えればレンズの有効口径を小さくする仕組みですので、絞りを絞っていくとF値は大きくなる関係があります。つまり、レンズの有効口径に比べて焦点距離が長いレンズのほうが、より暗いレンズ、ということになります。

また、レンズを通過する光の量はレンズの開口部の面積に比例します。つまりレンズの有効口径の2乗に比例する量となっています。これに対してF値はレンズの有効口径に反比例する値ですので、この2つの関係がF値が露出に影響する程度を決めることになります。

具体的にはF1.4とF2.0とでは、F2.0のほうがレンズを光が通過する量が半分になります。つまり、写真の仕上がりの明るさの程度への影響(≒露出)が半分になる、ということです。

絞りと写りの関係

絞りは写真の明るさをコントロールするのがまず一つ目の役割です。そのほかにもう一つ、写真の仕上がりに影響を与える重要な役割があります。

明るさの制御

DSC_0043まず最初に触れたように、絞りを変えることでレンズを通過する光の量が変わり、それによって写真の仕上がりの明るさが変化します。
上でも記したようにF値とF値が露出に与える関係は、F値の2乗に反比例する、という関係になります。

この関係を実際の写真撮影で利用しやすくするために、F値の代表的な数値は1段階変化させたときに明るさへの影響が2倍ずつ変化する並びになっています。具体的には、以下の数値が代表的なF値として使われます。

F1.4、F2.0、F2.8、F4.0、F5.6、F8.0、F11、F16、F22、F32~

F値と写真の明るさの仕上がり具合の関係に「2乗」が入ってくる兼ね合いから、F値の代表的な数値はほぼルート2(≒1.414~)刻みの数字になっています。

ただ現在のカメラではこの代表的な数値以外に、これら数字の間を1/3刻みで指定可能になっているカメラがほとんどです。実際に1/3段絞りを変えただけでも、仕上がりの違いが明確に分かる被写体も多々あります。

被写界深度と絞りの関係

絞りを変化させた際にもう一つ写真の写りの上で変わってくるのは、ピントが合ったように見える範囲「被写界深度」です。

理想的な写真用レンズでは、ピントが合う箇所は厚さゼロの平面上の物体だけですが、実際にはイメージセンサーの画素一粒には有限な大きさがありますから、若干像が点になりきれずにぼやけていても、事実上は点像と見なせる範囲が存在します。

そういった部分も勘案して、「ピントが合っていると見なせる範囲」を被写界深度と呼びます。

ピントが合っていると見なせる範囲は絞りを絞っていくと広くなっていきます。このようにピントの合う範囲が広いことを「被写界深度が深い」と表現します。逆に、絞りを開けていくとピントが合う範囲は狭くなりますが、こちらは「被写界深度が浅い」という表現を使います。

絞り制御

今のレンズ交換式カメラはすべて、絞りをカメラ側から自動でコントロールすることが出来ます。この絞りの制御の方法には大きく分けて二つの方法があります。

一つは機械式で、カメラの本体とレンズ側との間に機械的なリンクがあります。もう一つは電子制御式で、絞りも一種のモーターで駆動されます。電磁絞りとも呼ばれます。

機械式

フィルムの一眼レフなどで、最初に絞りのカメラ側からの自動制御を可能にしたやり方が機械式の自動絞りです。

シャッターを動作させるためのスプリングなどの力を利用して、シャッターを切る時に同時に絞り羽を設定位置まで動かすための機械的なリンクであるレバーが、マウント面に飛び出している仕組みが多くなっています。

機械式のリンクですがこの部分の制御が写真の露出の精度に直接響きますので、非常に高精度に作り込まれ制御も緻密に行われます。

電磁式

機械式のリンクによる絞り制御の精度の限界を解消可能なのが絞りの電子制御、電磁式の駆動による、電磁絞りとも呼ばれる形式の絞りです。

絞りの情報はレンズ側とカメラ本体間のデータ通信によってやりとりが行われ、レンズ側は指示された絞り値まで絞りに取り付けられた特別な形のモーター(アクチュエーターともいわれるもの)によって動かされます。

このため、レンズ側とカメラ本体側の連動精度による誤差が発生することがなく、より高度な露出精度が期待できます。

円形絞りとは

DSC_0037虹彩絞りでは絞っていくと中央の穴の形は多角形になってしまい、点光源のボケの形が多角形に変形します。それに加えてそのボケの形の変形がボケ味に悪影響を及ぼすことがあります。

この悪影響をできる限り避けるために絞り羽の形状を工夫して、少しだけ絞った状態までは非常に円形に近い穴の形を実現する絞りが増えています。これを「円形絞り」と呼んでいます。

ただ円形絞りでも開放F値から数段以上絞り込んでいくと、中央の穴の形は多角形になります。

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